アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】黒木知宏氏

メジャーリーガー・大谷、引退・斎藤。ファイターズで指導した2人への思い

メジャーで躍動する大谷に驚かない

 斉藤 新型コロナ感染拡大のため、選手との対談企画は中止となります。今回、千葉ロッテマリーンズの元エース、黒木知宏さんにオンラインインタビューを行いました。

 黒木さんは2013年から17年まで、ファイターズで投手コーチを務めました。現在はどのような活動を?

 黒木 解説業が中心です。子どもたちを対象とした野球指導なども行っています。後はメディア出演ですかね。

 斉藤 解説のお仕事はマリーンズ戦が多いですか?

 黒木 マリーンズ戦に限らずですよ。大谷翔平選手に指導していたこともあって、3年ほど前からメジャー解説もしています。

 斉藤 海を渡った大谷選手をどうみていますか?

 黒木 間違いなく進化していると思います。大谷選手を指導して感じたのは、当時から常に先を見据えて行動していたこと。アメリカに行って野球をやる。ただそれだけではなくて、世界一の選手になりたいというのが強くありました。

 もちろん簡単に世界一の選手になれるわけではありません。1カ月、3カ月、1年、3年……と、計画を立ててトレーニングしていたと思います。その成果が今、出ているのではないでしょうか。

 斉藤 大谷選手を指導する上で戸惑うことはありませんでしたか?

 黒木 (二刀流は)前例がないことだったので、ありましたよ。栗山英樹監督はじめ球団が、投打2つのポジションをやると発表してから、みんなで知恵を出し合うところからスタートしました。

 投手、野手、トレーニングの各部門のコーチは大谷選手に関する情報を報告して、首脳陣が吸い上げる。その情報を今度は全部門で共有する。そういう作業を行い、少しずつ大谷選手の“形”が見えてきました。

 ただ、本人の頑張りが一番だったように思います。一生懸命頑張る姿を周囲は見てきました。そうなるとサポートをしたくなりますよね。大谷選手の人間性もあったと感じています。

 斉藤 アメリカに行ってからも大谷選手の人間性が“画面”から伝わってくるのでうれしく思います。

 黒木 紳士的な姿は北海道にいるときと変わらないですよね。あれが彼の“素”なんですよ。プレー中はまるで野球少年のようです。

 ©財界さっぽろ

 斉藤 メジャーでも投打どちらとも通用していることに驚きです!

 黒木 僕らとしてはビックリしていないですよ。入団当初からとんでもない選手だと思っていましたから。誰よりも球が速いし、誰よりも打球を遠くに飛ばすし、誰よりも足が速い。身体能力の高さ、あの体つき、あんな特別な選手はいません。

 今シーズンはふた桁勝利・ふた桁本塁打という103年ぶりの記録に注目が集まりました。僕も期待していましたが、結果として、記録を打ち立てることはできませんでした。ただ、来年普通に投げて打って実現できる可能性は十二分にあります。

(構成・竹内)

……この続きは本誌財界さっぽろ2021年11月号でお楽しみください。


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(くろき・ともひろ)1973年12月13日、宮崎県日向市生まれ。O型。右投げ右打ち。延岡学園高校卒。社会人野球・新王子製紙春日井を経て、94年ドラフト2位(逆指名)で千葉ロッテマリーンズに入団。闘志を前面に押し出すプレースタイルでチームのエースに成長し、98年には最多勝、最高勝率のタイトルを獲得した。2007年限りで現役を引退。13年から17年まで北海道日本ハムファイターズの一軍投手コーチを務めた。現在は解説者として活動中。