アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】横山知伸氏

自覚がないまま就寝中にけいれん

砂川 2018年シーズン途中でコンサからロアッソ熊本に移籍して、その年の末に脳腫瘍の手術を受けた。当時はどんな状況?

横山 12月23日に高校の同級生の結婚式があって、その後は別の友人と食事に出て。体調にはとくに問題なく家に帰って普通に寝たんです。でも午前2時か3時くらいに、妻に起こされて。「何でこんな時間に」となりますよね。

妻や子どもの姿をよく見ると、上着を着て外出の用意をしている。しかも寝室の入り口には3人くらい、人がいて。

妻は「けいれんを起こしたから、救急車を呼んだ」と。入り口の人たちは救急救命士だったわけです。

砂川 自分ではまったく気付かなかった?

横山 はい。自宅前は救急車が入れる場所がないので、取り敢えず家族と歩いて救急車に乗り込みました。

救命士から病院に行くかどうか聞かれたので、自分は大丈夫だと思って「帰ります」と言いましたが、妻が検査を希望して、病院へ。それで全身の検査をしたら「頭に腫瘍があります」と。

砂川 あの年、コンサでも熊本でも、練習や試合には普通に出ていたよね?

横山 いま思い返すと、キャンプの時から目が少し見えにくい感じはあったんです。

(構成・清水)

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1985年3月18日、東京都生まれ。帝京高校から早稲田大学スポーツ科学部へ進学。08年から川崎フロンターレへ加入しセレッソ大阪、大宮アルティージャを経て17年シーズンから北海道コンサドーレ札幌へ。18年に完全移籍を果たすが出場機会を求めてシーズン中にロアッソ熊本へ移籍。その年の末に脳腫瘍と診断され、摘出手術を経て翌19年9月にFC岐阜で選手として復帰。今年2月で現役を引退し、4月からコンサのアカデミーフィジカルコーチに就任した