アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】村上アシシ氏

1人のサポーター目線で伝えたい

砂川 アシシは、コンサドーレの個人スポンサーで、コアなサポーターでもある。そしてコンサに対して、メディアのように話を聞いたり、アイデアを提案することもある。どの立場がメーンなの?

村上 今はサポーターとして、ですね。言いたいことを好き勝手に言える立場は、サポーターだからこそだと思うし。サポーターの視点から良いところ悪いところをバンバン言うポジションが、僕にとっても居心地がいいですし。

砂川 ツイッターで、たまに“炎上”してるね(笑)

村上 そういう時もあります(笑)。でもね、スポーツ応援って、対立や好き嫌いがあって、感情の起伏があるのが普通。だからこそ炎上する時もあるんだと思います。それでもいちサポーターとしてクラブ側に言いたいことは伝えたいし、それをSNSなどを通じて自分から発信もしたい。

僕自身はサッカー日本代表のサポーターでもあるので、全国のサッカーが好きな人がツイッターをフォローしてくれています。そういう人たちに、いまコンサドーレはこういう状況なんですよ、と発信すると、結構反応がある。表現が合っているかはわからないけど、広告塔のようなポジションでしょうか。ポジティブな話だけでなくネガティブな話も発信しますし、炎上もする。それも含めて、いちサポーターとして、コンサの発展に寄与したい。

砂川 他のクラブと比べて、今のコンサがいいと思われている部分はどこ?

村上 野々村芳和社長ですね。あんなに自ら情報発信する社長なんて、Jリーグの57クラブ中でも随一だと思う。ほかのクラブだと、社長が表に出て説明することなんて、ほとんどない。

砂川 社長が一番の情報漏えい元だから(笑)。俺は18年シーズンから、コンサユース・U―18のコーチをすることになったんだよ。それで社長に、この対談やスポーツニッポンの解説の仕事はどうしようかと相談したら「チームの中からでも言えることがあるだろうし、メディアに出てコンサを周知してくれるのはプラスだから、辞める必要はない」と。ノノさんは、そういうことに理解がある。

村上 タイのスターであるチャナティップ選手を獲ったアジア戦略もそうだし、チーム運営だけでなくビジネス面を多様化してうまく回して、しかもそれもオープンにしている。そこがマネできないところでしょう。

-----ここから“延長戦”本誌未掲載-----

砂川 アシシはサッカーやってたんだっけ。

村上 小学校、中学校とやってましたよ。でも中学が強豪校で、レギュラーがとれなくて、挫折したような感じで高校はサッカーを辞めました。高校でサッカーをやっていれば、曽田雄志とチームメートでした。

辞めた後、一度サッカーを嫌いになっているんです。ドーハの悲劇とかジョホールバルの歓喜はテレビの生中継すら見ていないくらい。でも02年に日韓ワールドカップは国民的行事だったこともあって、そこでサッカー熱を取り戻してきて。フットサルを久しぶりにやったり。それが社会人になって2、3年目くらいです。

そこからまたサッカーを見るようになっていって、05年のコンフェデレーションズカップをドイツの現地で見ようと思って見に行ったら、ブラジルに2―2で引き分けた。中村俊輔のゴールとかがあった試合ですが、あれはジーコ・ジャパンのベストゲームだと思っています。そこでどっぷりとハマった感じです。

日本だとまだまだプロ野球が人気ですけど、世界を見ると、どこに行ってもサッカーが強い。7年前に訪れたカメルーンでは、当時スペインのバルセロナにいたスター選手のエトーが国民的英雄のような扱い。どこに行っても写真が貼ってあって、もう大統領よりもすごい位置づけですよ。

砂川 カメルーンといえば最初に思い出すのは大統領ではなくてエトーだものね。

村上 世界共通の言語は英語だとかスペイン語だとか、人口でいうと中国語だとかいいますけど、僕はサッカーこそ共通言語だと思います。どこに行っても「サッカーしようよ」でいいし、サッカーの話なら世界中どこでも盛り上がる。“サッカーファミリー”って、世界中に何十億人といるわけです。僕自身もサッカーを追いかけて世界を旅する生活を10数年続けてきましたが、これからもサッカーのそうした魅力をどんどん広げていきたいと思っています。

(構成・清水)

……本誌財界さっぽろ2018年2月号(1月15日発売)にはここに未掲載の内容も満載ですので、ぜひお買い求めください。


→Webでの購入はコチラ
→デジタル版の購入はコチラ

本名:村上敦伺(むらかみ・あつし)1977年札幌市生まれ。東京理科大学卒業後、外資系コンサルティング会社「アクセンチュア」を経てコンサルタントとして独立。半年で1年分稼いで残りの半年を旅して暮らす「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを確立する。とくにサッカー日本代表の試合を追いかけ、世界各国で現地観戦することにこだわる。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー