【砂川誠のコンサの深層】福島直氏
選手一人ひとりの思いを拾っていく
砂川 先生とは“同期入社”なんですよね。
福島 そうそう。コンサドーレのチームドクターとして加わったのが、スナの加入と同じ2003年。その時はまだ違う病院で勤務医をしていたころ。
砂川 俺、加入して間もなく、キャンプ地の鹿児島で入院したんですよね。
福島 指宿でのキャンプだね。スナは毎年キャンプインした後、扁桃腺を腫らしていたのを憶えている。
砂川 毎年なぜか必ずね。先生がコンサとかかわるようになったのは、どういう経緯だったんですか?
福島 勤務医時代、大阪の病院で研修をしていたんだけど、その時からスポーツ整形に携わっていて。具体的にはサッカーじゃないのだけど、当時の近鉄バファローズと阪神タイガースのドクターが僕の師匠に当たる人。そのつながりから、札幌に戻ってきた後に加わるように。
砂川 加入してしばらくは、ホームゲームのピッチで会うくらいでしたね。
福島 入った当初は先輩のドクターがいたし、試合対応も複数人で回しているからね。普段の練習はトレーナーがしっかりついて、リハビリから治療までしっかりメニューを組み立てているから、僕らは必要な時に病院へ来てもらって、選手の検査をする程度。
砂川 試合前の処置があって、俺は、痛み止めの注射を何十本打ってもらったかわからないくらい、先生にお願いしていて。
福島 腰とか足首だよね、試合直前に。
砂川 痛み止めを打ったことでかなり楽にプレーできました。偶然かもしれないんですけど、打ってくれる先生との相性もあると思うんです。気のせいかもしれないし、先生の腕によるのかもしれないけど。少なくとも、人間関係ができている先生のほうが、自分の思いをわかってもらえる。
福島 選手の置かれた状況にもよるんだけど、普段トレーナーがしている治療とか、そういうところから選手一人ひとりの思いを拾っていくこともあるし。自分にポロッとこぼしてくれたことを拾っていって、フォローにつなげていくというのが大切で。
砂川 選手は試合に出られると思えばどこかに痛みがあっても出たいもの。だからこそ、信頼関係が必要なんだと思う。
(構成・清水)
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