財界さっぽろ 2022年11月号のさわり

財界さっぽろ 2022年11月号

負債600億円、道内の子牛価格が大暴落、薬殺も 食肉大手「神明畜産」破綻の衝撃

 今年9月に経営破綻した豚・牛の国内生産大手「神明畜産」の道内への影響を深掘り。
 
破綻の原因は、同社グループが運営する栃木県の養豚場で、家畜の指定伝染病「豚熱」が発生し全頭が殺処分となったこと。通常は被害額の大半が補助金で賄われるが、同社が法に基づいた措置を取らなかったことから、その支払いに制限がかかる見込みとなった――というのが直接の原因とされている。

神明畜産「釧白食肉コンビナート」(釧路管内白糠町) ©財界さっぽろ

 同社の破綻によって大きな影響を受けたのが、道東・十勝を中心とした酪農地帯の農家だ。同社グループが釧路管内白糠町で運営していた「釧白食肉コンビナート」は1万数千頭のホルスタイン種を初めとする肉牛を肥育、出荷。そのため、道東・十勝で毎週競りにかかる生後間もない子牛(ヌレ子)の大口需要家だったが、今年8月中旬以降、同社グループの需要が消滅。それにともない、平均10万円程度だった子牛の価格が1万円以下に大暴落し大騒ぎとなったもの。競りで引き取られなかった子牛は、飼料高騰の折、薬殺処分に。影響は道東や十勝から道内全域へさらに広がっているという。

 折からの燃料、資材の高止まりが続く中、貴重な収入源だった子牛の価格も暴落し酪農家の疲弊は極まっている中、10月以降の“さらなる生産数量の再検討”という情報も。北海道酪農“クライシス”の現状をどこよりも詳しく報じている。

特集・レバンガ北海道「さあ、いこうぜ。」~まだ見ぬ景色目指して~

選手グラビアも盛りだくさん ©財界さっぽろ

 本誌恒例、レバンガ開幕特集。今シーズンも指揮を取る佐古賢一ヘッドコーチを直撃したほか、所属全選手をインタビュー・対談計11本でで総ざらえ。橋本竜馬キャプテンと鉄人・桜井良太選手による本誌連載特別編、特別グラビアや経営ビジョンなど、ブースターならずとも見逃せない内容盛りだくさんでお届けする。

現職・工藤は早々出馬表明 過剰人気・大泉潤に翻弄される函館市長選

大泉潤氏 ©財界さっぽろ

 北海道の芸能事務所クリエイティブオフィスキューに所属するタレント・俳優の大泉洋を弟に持つ、函館市前保健福祉部長の大泉潤氏。7月末に市役所を退職、それも市長選に出るためと明言したこともあり、現職・工藤壽樹も4選を目指して出馬を表明。またも繰り返される市役所出身者同士の骨肉の争いだが、大泉氏はかねて工藤氏の腹心としてこれまで役人人生を経過。退職のタイミング、出馬の理由、支援者などなど、さまざまな「?」が多いことも事実。“弟の七光り”でネームバリューは抜群なものの過剰人気という声もあって情勢は混沌としている。

2期目途中に…知事・鈴木直道にささやかれる国政転出説

 このところコロナで足を運べていなかった市町村に「なおみちカフェ」と称して出向けば黄色い声が飛び交い、即席の写真会が行われるのが常。世論調査支持率80%超という圧倒的な人気を維持したままに1期目の終盤にさしかかる鈴木直道北海道知事。来る統一地方選まであと半年を切る中、対抗馬の姿は見えず、戦う前から再選を確実視されている状況だ。

鈴木直道知事 ©財界さっぽろ

 そんな鈴木知事だけに、道庁や永田町での関心事は再選後の「その先」に移っている。遅くても3年後に訪れる衆院選について、知事は果たしてどう考えているのか。“親分”である菅義偉元首相の動向、公明党との関係、衆院選で出るなら――話題尽きない鈴木知事周辺の動向を探った。

特集・道議選“すったもんだ”

北海道議会の定数は現在100議席。そのうち28が札幌市内、残り72が地方に配分されている。来年4月の次期道議選では定数100を維持した一方、帯広市以下の人口となった釧路市選挙区を1減し、オホーツク西地域より人口の多い恵庭市1増と最低限の変更に留めることで固まった。

 一方、現時点で死去、あるいは国政選挙転出、高齢、大病などで勇退を表明した議員は16人。さらにベテラン議員や地域事情から水面下で去就が耳目を集めている議員も複数いる。夏の参院選後、一気に動き出した道議選について、本誌編集部が総力取材。新聞には出ない複雑な地域事情を解説、最新情勢を読み解く本誌恒例特集だ。