七飯町に道南35年振りの酒蔵「箱館醸蔵」誕生!本日からクラウドファンディング開始

「みなさんすごく期待してくれていますので、おいしいお酒を届けたいと思います」

 2月11日、渡島管内七飯町の新酒蔵「箱館醸蔵」が操業を始めた。代表で蔵元の冨原節子さんは、道南で35年振りに酒造りが復活することへの期待が高まっていることを受け、このように話した。

 同蔵は冨原さんが同町で営む「冨原商店」を事業主体として設立。同店は赤松並木の有名な国道5号線沿いで100年続く酒販店で、北海道議会議員・冨原亮さんの実家でもある。

 酒造りの責任者である杜氏には、国稀酒造で杜氏兼製造部長を務めた東谷浩樹さんが就任。十勝管内足寄町出身の東谷さんは帯広畜産大学卒業後、北の誉酒造、札幌酒精工業などで酒造りを経験したベテランで、毎年全国規模でおこなわれる全国新酒鑑評会で金賞の受賞経験を持つ。

箱館醸蔵の建物 ©財界さっぽろ

 酒蔵は同町大中山1丁目の大中山駅そばに建設。鉄骨造2階建てで、延床面積724平方メートルの建物内には醸造設備一式に加えて精米の機器も置かれ、近隣の横津岳の伏流水を組み上げる井戸も掘った。建物の眼前に広がる水田を含め、道南産の酒造好適米「吟風」「彗星」を100%使用する。

 年間の醸造量は100キロリットルほどを予定しており、この日から始めた初回の醸造分1万2000リットルは、きょう17日から開始のクラウドファンディング(CF)で応援購入品として提供される。

洗った米を水に浸す工程で、給水具合を確認する杜氏の東谷浩樹さん ©財界さっぽろ

 CFの目標額は当初300万円だが、きょう16時現在ですでに200万円近くに到達。東谷さんは「3000万円を超えれば、日本酒のジャンルで一番になれるので、そこを目指したい」と話す。

 3月15日発売の月刊財界さっぽろ4月号では、同蔵の設立経緯や道内の酒蔵を取り巻く状況、「郷宝(ごっほう)」という銘柄の由来などについても紹介する予定だ。