エム・エム・ピー

食材費高騰の逆風下でも安定経営。食のインフラを守る
「おいしい料理は人を笑顔にし、人の和を生む」という想いを込めた造語〝美味心笑〟をモットーに掲げ、札幌を拠点に食のインフラを支えている「エム・エム・ピー」。
医療機関や介護施設、学校、企業の社員食堂などに向けた給食事業を中核に、飲食店の運営や療育支援など多角的に事業を展開。グループ全体の従業員数は800人を超え、2024年度の年商は約48億円に上る。
昨今、給食業界は米をはじめとする食材、光熱費、人件費などの高騰が続く逆風下にある。それでも同社は、取引先との信頼関係のもと価格改定を実現し、サービスの質を維持。顧客に寄り添った献立設計や厳格な衛生管理、契約農家から仕入れた道産食材の活用など、安心・安全な食事を提供している。
医療機関や介護福祉施設からの依頼が多く、他社からの切り替えの問い合わせも増えている。その理由は〝味〟にあるという。
「私は板前出身です。だからこそ給食であっても〝おいしさ〟に妥協しません。高齢者や患者さんに喜ばれる食事を届けたい」と嘉藤田章博社長。
一方、深刻化する人手不足の対応として、外国人材の採用にも注力する。現在は、技能実習や特定技能制度を活用し、25人以上が在籍している。
嘉藤田社長は「人材への投資は、会社の将来を支える布石。来年度には35人程度まで増員予定で、体制強化を図っていく」と語る。
また、グループ会社の「生和」では札幌市内で児童発達支援・放課後等デイサービス「あいいろ」(石狩市)と「アベニール」(札幌市)2施設を展開。集団生活が難しい子どもたちに寄り添った療育プログラムを提供しており、7月には新たに3施設目を開設した。
また、地域貢献も積極的だ。05年から毎年、日本テレビ系列の「24時間テレビ」のチャリティー活動に参加。STV広場前に出店する「MMPふれ愛キッチン24」の利益は全額を寄付している。コロナ禍で同チャリティーが中止となった20年からは、運営する中華レストラン「しょうりゅう」(石狩市)の駐車場でビアガーデンを開催。売上の一部を寄付してきた。
「食を通じて笑顔を届けることが私の原点。地域から頼られる存在となれるよう、社会貢献活動をこれからも継続していきます」と嘉藤田社長。
