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H.Eグループ

業容拡大に伴い人員も増加。1月には新事務所に移転拡大した

中核の再エネ事業が拡大。グループ全社が堅調

 再エネや不動産、農業、飲食などのグループ6社で構成する持ち株会社「H.Eグループ」。環境・経済・社会をテーマに、各社が多角的に事業を展開している。

 2025年早々には本社を移転拡大させるなど、全社で業績は右肩上がりが続く。24年3月期は10期連続の増収を達成した。

 グループの中核を担うのが太陽光発電事業を手掛ける「H.Eエナジー」だ。クリーンエネルギーの普及によるカーボンニュートラル構想を打ち出しており、東北や関東にも支店を構える。野立て太陽光発電施設の施工販売数は年間150件以上と道内トップシェアを独走。業界で確固たる地位を築いている。

 昨年12月には、大規模プロジェクトもスタート。「ENEOSリニューアブル・エナジー」(本社・東京都)と協業し、東北エリアで低圧太陽光発電バルクを開発中だ。設備容量5メガ㍗規模の発電所となる、約50件の建設に順次着工しており、年内の運転開始を見込む。

 6月からは、SMBCグループの「SMFLみらいパートナーズ」との協業もスタートした。第一弾契約として道内で低圧50件、5メガ㍗の建設も始まるなど、大手企業との連携が相次ぐ。

 さらに、岩見沢市では豪雪地帯の農地用垂直型ソーラーパネルの実証実験を敢行。自社開発の架台を採用しており、従来品よりも設置コストを大幅に抑えられるという。現在は特許も申請中だ。 

 瀬尾浩史社長は「新潟県で自治体と協業し垂直型ソーラーパネルの工事も始まる。ほかにも複数の国外プロジェクトが進行中です」と語る。

 こうした一方で、5月からは電力の小売り事業にも参入。26年末までに500万㌔㍗を販売を目指している。

 不動産売買がメインの「H.Eエステート」では、24年から札幌市中心部などでホテル用地の開発を開始。瀬尾社長が「今グループ内で一番勢いがある」と話すように、業容も拡大の一途を辿っている。

 また、飲食事業の「H.Eフードウェイズ」は、23年にススキノにオープンした高級居酒屋「灯(ともしび)」や高級ラムしゃぶしゃぶの「羊と饂飩」が好調。今後は札幌駅前エリアでジンギスカン店をオープンする計画もあり、道外への出店も視野に入る。

「全社の底上げを図り、国外での本格展開を目指します」と瀬尾社長。 

岩見沢市の垂直型ソーラーパネル
瀬尾浩史社長