国分北海道

地域共創ビジネスで、1次産業と食関連産業を守る
酒類・食品卸売業の道内大手「国分北海道」。2024年度の売上高は1011億円で、初の1000億円台を突破した。
〝食のマーケティングカンパニー〟を標榜し、単なる卸売業にとどまらず、食を起点とした〝共創圏の構築と拡大〟に力を注いでいる。
「北海道の人口減少は加速度的に進み、1次産業を中心に食関連産業の衰退を防ぐことが喫緊の課題です。当社では地元企業、自治体、教育機関などと協力し、その土地ならではの素材に着目した商品開発や道産品の道外・海外への販路拡大、さらにブランド力のある道産青果物の販売で、食の新たな価値を創造する『地域共創ビジネスの構築と拡大』に取り組んでいます」と山下大吾地域共創部長兼商品開発部長は語る。
その一環として、道産食材を使ったさまざまなオリジナル商品を展開している。
池田町産のブドウを原料とした「島梟十勝ブランデーシリーズ」や、国分グループの関連会社「倉島乳業」(岩内郡岩内町)の牛乳を使った「北海道倉島牛乳アイス」など、これまでに100種を超える商品の企画と開発を進めてきた。
一方、北海道の1次産業の未来を担う人材育成を目的に、産学連携も推進する。
これまでに小樽水産高校、函館水産高校と協力し、生徒発案の加工食品を商品化したほか、7月には厚岸翔洋高校と共同開発した缶詰を発売予定だ。また、北斗市との包括連携協定により、5月から市内の大野農業高校に食関連産業の教育プログラムも提供している。
こうした取り組みをさらに強化するため、地域共創部では「イノベーション推進課」を新たに組織した。
「コア事業の食品卸にとらわれず『食+アルファ』の新たな価値創造を追求します。当社では人口減少に左右されないビジネスを〝人口に依存しない売上〟と定義し、現状で全体の7%程度の同分野の売上を、早期に20%以上まで引き上げます。地域共創の観点からゼロから1を生み出し、新たな価値創造を目指していきます」と山下部長は語る。
