ほっかいどうデータベース

苫小牧東京重機

さまざまな大型物件にクレーンを供給し続けてきた

大型案件が順調に進行。新事業参入で企業価値向上へ

「苫小牧東京重機」は、道内重機リースのパイオニアとして1973年に設立。

大型クレーンに特化して、北海道新幹線新函館北斗駅、ウポポイ(胆振管内白老町)、木質バイオマス発電所(苫小牧市)など数多くの建設現場へ高性能機種を提供してきた。

 顧客には大林組、鹿島建設や日本通運など大手企業が名を連ねており、多方面から信頼を獲得している。

 勢いは2024年度も続いた。昨年7月には、出光興産北海道製油所(苫小牧市)で行われる大規模な「シャットダウンメンテナンス(SDM)」にクレーンを供給。同案件は40年以上にわたって同社が担っており、1日20台以上の油圧クレーンを3カ月間投入した大型案件だ。

 宮永学社長は「工事の遅延やイレギュラーもなく進んだ。従業員が頑張ってくれました」と振り返る。

 このほか、千歳市のラピダスをはじめ、市民会館・文化会館・労働福祉センター・交通安全センターの機能を統合する「苫小牧市民文化ホール」など、大型のリース案件が現在も並行して進行している。

 今後も大規模工事の新規受注が決まっており、代表格となるのが国内最大級のデータセンターとして注目される「北海道苫小牧AIデータセンター」の建設工事だ。

 同センターは、太平洋側の苫小牧市から日本海側の石狩市を結ぶ一帯を先端産業の拠点にする「北海道バレー構想」の中核施設の一つ。敷地面積は、約70万平方メートルと国内最大級で、同社は今秋からクレーンを供給していく。

 一方で、新分野への参入も狙う。重量物や精密機械などの設備の据付工事にも対応する計画だ。

「M&Aも視野に入れています。工事から重機リースまでを一手に請け負う体制を整え、企業価値を向上させたい」と宮永社長。

 

保有車両は多岐にわたる
本社は苫小牧市に構える
宮永学社長