鈴久名建設

大型物件が複数進行。〝次世代職長〟の育成にも尽力
今年で創業99年目を迎えた「鈴久名(すずくな)建設」は、とび・土工工事一式を担う。大林組(本社・東京都港区)の道内案件の一次下請けを70年以上メーンで務めており、道内業界では不動の地位を確立している。
鈴久名将社長が「2024年度は、複数の大型物件が同時並行で進行した」と振り返るように、北海道新幹線延伸工事(長万部エリア)や札幌市中心部の再開発に伴う「PIVOT」跡地の商業施設やオフィス、ホテルを備えた複合施設の建設などに参画した。工事は現在も進行中で27年まで続く。
今秋には、月寒グリーンドーム跡地に建設される大規模展示場の工事も開始予定だ。さらに冬からは、北海道ボールパーク(北広島市)周辺の開発事業もスタートする。新駅や超高層タワーマンションの建設を担う予定で、いずれも2年以上続く長期案件となっている。
さらなる受注拡大への足場固めとして、目下注力しているのは若手の育成だ。
例えば、昨年に竣工した静岡県のスマートシティ建設では、30歳以下の若手が中心となり工事を完遂。超大規模工事の経験を積ませている。
また、若手の現場作業を行う外業社員にもCADやBIMなどの内業作業ができるよう、定期的に講習会を開催。5年を目処に外業でありながら内業にも精通した、いわゆる〝次世代職長〟を育て上げていく計画だ。
こうした取り組みは、元請けである大林組にも高く評価されている。4月には大林組が設定する「スーパー職長 ジュニア部門」に同社従業員で27歳の小林優氏が認定。若手建設技能者の目標となる理想的な職長像として表彰された。
「女性職長の育成にも注力しています。現在も産・育休から復帰した女性が前線で活躍してくれている。当社が業界のロールモデルになれれば」と鈴久名社長は意気込む。

