會澤高圧コンクリート

創業90年。〝想定外〟の領域で新たな素材の進化に挑む
ブレークスルーを生む技術開発で世界中から注目を集めるコンクリートメーカー「會澤高圧コンクリート」は、新たなフェーズへ突入している。
昨年4月、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が研究する電子伝導性炭素セメント材「ec3」、いわゆる「蓄電コンクリート」の社会実装の第一歩として「ec3コンソーシアム」をMITと共同で設立。昨冬には、札幌市と共同でec3発熱コンクリートパネルの公開実験を行った。
実験場所となったのは札幌大通公園だ。ホワイトイルミネーションや雪まつりの期間中に発熱パネルの融雪性能を検証し、持続可能な冬季道路管理の可能性を証明した。
さらに今年3月には、MIT、北広島市との共催でエスコンフィールドHOKKAIDOにおいて融雪実証を実施。これを受け9月25日に、国内主要コンクリートメーカーなど45社で「蓄電コンクリート工業会」を設立すると発表した。
同日には、満を持して蓄電コンクリートの実用機も披露する予定で、MITの先端素材を日本発で社会実装する。
同会発起人でもある會澤祥弘社長は「コンクリートが電気を貯めるマテリアルになるとは誰も思っていなかった。〝想定外〟の領域に踏み込み、コンクリート産業を新たなステージへ引き上げる」と抱負を語る。
一方で同社は、国内で初めてバイク用エンジンを搭載した産業用ドローンを開発したことでも知られる。
昨年末には、自社開発のエンジンドローン「AZ‐250」の製造販売ライセンス契約を産業用チェーンで世界トップシェアを誇る「椿本チエイン」(本社・大阪府)と締結した。2030年に航続7時間、50㌔㌘まで積載可能な産業用ドローンの量産体制に入る。
「時代が求めるソリューションを提供していく」と會澤社長。

9月に本格スタートを切る
