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小鍛冶組

今年は7人が入社。このうち3人が野球部にも所属する

独自の教育制度やアスリート雇用で採用を拡大

札幌市内の再開発プロジェクトや道内各地の大規模建設工事に欠かせない存在が「小鍛冶組」だ。建築物の基礎工事や骨組みとなる躯体工事を手掛ける。この分野のリーディングカンパニーとして知られ、得意先からの信頼も高い。

採用活動では、小鍛冶洋介社長自ら学校訪問を行い、採用が決まった新入社員の両親へのあいさつを欠かさないなど、人とのつながりを重視している。

これによって2016年以降は毎年新卒者を採用。今年は大卒4人、高卒3人の計7人が入社した。社員数は過去最多の140人(4月1日現在)となった。

入社後は3年程度で現場代理人を目指す。〝小鍛冶組の顔〟として建設現場で協力会社や職人を束ねる仕事で、さらに本人の意向や適正に合わせて、重機オペレーターやダンプ運転手などに進むこともできる。

建設業界では〝入社後に即現場〟というケースが多く離職につながっていたため、同社では座学を重視した独自のOJTプログラム「KOKAJIアカデミー」を策定した。社会人のマナーやコンプライアンスの指導、建設現場ならではの業界用語なども学ぶ。実際に資材や重機を用いた模擬工事も行う。

また、かつて高校球児の小鍛冶社長は野球を通じた雇用にも注力する。自社の軟式野球チームが「働きながら野球を続けたい」という若者の受け皿になっており、今年入社の3人も野球部に所属する。

昨年にはスピードスケートチームが発足。浦河町出身のウイリアムソン・レミ選手が入社して、世界大会を目指している。

「セカンドキャリアの観点から、引退したスポーツ選手の雇用も進めていきたい」と小鍛冶社長。

このほか北海道女子硬式野球連盟が主催するキューバ発祥の5人制野球「ベースボール5」の普及にも取り組む。今年2月に栗山町で開催された同大会には協賛企業としても参画した。

このほか福利厚生では、スポーツメーカーのミズノ製ワークウェアを道内に先駆けて導入した。見た目のかっこよさはもちろん、動きやすく機能的で現場からの評判も上々だ。

 


 

■設計部工事課
佐藤 翔汰さん

入社7年目で現場代理人として勤務しています。ススキノラフィラ跡の再開発など大規模な建設工事に携われるのが魅力です。特に建物が出来上がった時にこれ以上無い達成感を感じます。現在は1級施工管理士の資格取得に励んでいます。業界ではベテランが退職しており、中堅の先輩が在籍しているうちに多くの経験や知識を吸収していきたいです。

座学を重視しており、入社後1カ月は社会人のマナーなども指導する
重機のオペレーターになることもできる