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ヒロエナジー

同社が施工したむかわ町の営農型太陽光発電

再生可能エネルギー分野で急成長。国内大手企業とも提携

〝北海道のクリーンエネルギーの未来を創ること〟をミッションに掲げる「ヒロエナジー」は、太陽光発電事業で急成長中のベンチャー企業だ。2015年の創業と新鋭だが、野立て太陽光の施工販売は年間150件以上と、道内トップシェアを誇っている。

投資家を中心に本州大手企業など、さまざまな顧客から信頼を獲得しているのには理由がある。それは、土地の選別や取得からプラントの設計、施工やアフターフォローまで一貫して任せられるからだ。

そもそも道内には、太陽光発電システムの設計と施工をパッケージ化し〝自社開発〟ができる企業が少ない。加えて同社では、道内では珍しく、用地取得専任の営業部署も設置。直接土地の買い付けを行っている。

アフターフォローでは、国内大手光学機器メーカーと提携し、万全なサポート体制も整えている。投資家や企業が〝全幅の信頼で資本を丸投げできる〟ことが最大の強みとなっているのだ。

大規模なプロジェクトも動き出している。3月から太陽光パネル製造の世界大手「ルクサーソーラー」(本社・ドイツ)や国内大手総合電機メーカーとタッグを組み、農業用垂直型両面発電パネルの実証実験を岩見沢市とむかわ町で行っている。

「パネルを垂直に設置することで、表裏両面で太陽光を受けることが可能。発電効率を最大限に引き出す設計になっています」と瀬尾浩史社長。

自社でも20年に「ヒロファーム」を設立し農業にも参入した。荒廃農地を再利用し、現在では道内各地に100万平方㍍以上の農地を所有。ニンジンやカボチャなどの野菜を生産しており、特にカボチャは年間で200㌧を収獲。生鮮のまま香港やシンガポールなどに輸出している。

「後継者不足が深刻化する農業や、普及が進まない再生可能エネルギーなど、北海道ならではの課題解決に向け、営農型太陽光発電を推進しています。これは、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置するもので、農産物の生産と発電を共有する取り組みです。作物の販売収入に加え、売電による継続的な収入や発電電力の自家利用で、農業経営の改善が期待できる」と瀬尾社長。

年内にも仙台支店を開設予定で、これを皮切りに本格的に道外にも進出する計画。全国普及を目指している。

瀬尾浩史社長
観葉植物を配置したエントランス
上空から撮影した恵庭市の土場