財界さっぽろ 2010年12月号のさわり

財界さっぽろ 2010年12月号

■「道都・札幌市」権力継承と確執の歴史

 好評連載「シリーズ北海道人脈地図」の新章は、札幌市政の裏面史に迫る。1947年4月に公選による初の市長・高田富与氏が誕生。以来、原田与作氏、板垣武四氏、桂信雄氏、上田文雄氏が道都の最高権力者の座を引き継いだ。権力の移行は内部にきしみと対立を生み、ときに庁外を巻き込む混乱を呼んだ。第1回目の今回は、2代目公選市長の原田氏が内に秘めていた初代市長・高田氏への“怨念”を赤裸々に描く。

■山口二郎北海道大学教授が民主党に喝「2009年8月30日の原点に立ち戻れ」

 「こんなはずではなかった」--民主党の応援団を自認し、誰よりも強力に政権交代を訴えてきた山口二郎北大教授だからこそ、失望は大きい。「自民党政権時代と同じというか、それ以下の国家」「権力を乗っ取ったというだけの政権交代が前面に出てしまった」と厳しい言葉が飛び出した。民主党に何が必要なのか。山口教授に聞いた。

■ジャーナリスト上杉隆インタビュー「今の民主党に政治主導など望めない」

 官房機密費と記者クラブ制度のグレーな構図を徹底的に追及し、永田町を震撼させる気鋭のジャーナリスト上杉隆氏が、その鋭い視点で民主党政権の本質に斬り込む。上杉氏は民主党の政治主導を推し量るリトマス試験紙として「記者会見のオープン化」をあげる。なぜか。そこには官僚と癒着し、情報操作機関として動く記者クラブの存在がある。

■ブーム去った“生キャラメル業界”の惨状

 「今年の生キャラメルの売上げは対前年比で98%のマイナス」(某菓子メーカー経営者)。タレント・田中義剛氏の「花畑牧場」が2007年に発売し、ブレークした生キャラメル。同社の店舗には長蛇を列ができ、売り切れも続出した。その後、各メーカーがこぞって参入し、一大ブーム。道内では20社以上の約40種類が出回っていたという。しかし、ブームがおさまった今、生キャラメルブームに踊った業者の倒産や事業停止が続発している。

■馬淵澄夫国交相が上田文雄に“キツイひと言”

 民主党の実力者は北海道新幹線札幌延伸に冷ややかだ。未着工区間の可否は年末決着とされているが、札幌延伸に前向きな発言をした大物は小沢一郎前幹事長だけ。前原誠司前国土交通相、岡田克也幹事長らは極めて否定的な発言をしている。さらには馬淵澄夫国交相が10月、上田文雄札幌市長に“キツイひと言”を言い放ったという。道内関係者の間には今、悲観的な空気が漂っている。

■ノーベル賞受賞・鈴木章に続け!“アンビリバボー”な道内大学先端研究

 鈴木章北大名誉教授のノーベル化学賞に道民は沸き立った。鈴木名誉教授の快挙を通じ、科学の世界に興味をひかれた方も少なくないだろう。そこで道内各大学で進められている最先端の研究にスポットをあてた。「究極の素材」と呼ばれるカーボンナノチューブの新抽出法、新千歳からニューヨークまで6時間で飛べる超音速機の研究開発など11の研究を取り上げる。

■通販CM急増で道内テレビ局のジレンマ

 グルコサミン、ヒアルロン酸、アントシアニン…どれも健康食品に含まれる成分の名称だ。テレビでこれらの名前を聞かない日はない。右肩下がりだったテレビCMの出稿量が持ち直しつつあるが、その原動力が健康食品を中心とした通販CMだ。しかし、テレビ局は手をたたいで喜んでばかりいられないという。