財界さっぽろ 2010年11月号のさわり

財界さっぽろ 2010年11月号

■特集・検察との死闘3000日 鈴木宗男“虚像と実像”

 ついに鈴木宗男氏が刑務所に入る。逮捕から8年。検察との対決、病との闘い、国政復帰…この間、鈴木氏は幾多の“戦い”を繰りひろげてきた。これまで疑獄事件で無実を訴え続ける政治家は少なくはない。しかし、被告の立場でありながら表舞台に完全復活し、メディアに積極的に露出して活躍した政治家はいただろうか。その1点を取り上げても鈴木氏は間違いなく希有な人物である。収監直前の鈴木氏のロングインタビューを掲載。「希代の政治家はこうして生まれた 鈴木宗男63年の真実」など関連記事では、鈴木氏の半生を振り返りつつ、一連の“ムネオ疑惑”と事件についてあらためて検証した。

■中川郁子が道11区出馬に“あの手この手”

 「もう一度投票表紙に『中川』と書いていただくことが一番いい」。10月7日に帯広市内で営まれた中川昭一元財務・金融担当相の一周忌法要で、安倍晋三元総理はそう語った。11区の次期衆院選候補として郁子氏を念頭に置いた発言だった。しかし、地元は郁子擁立で一枚岩になっているわけではない。中川氏の急逝後、地元では郁子氏の立起を望む声が広がったことは確か。ところが、時がたつにつれ、地元の雰囲気が変わっていったというのだ。そんななか、郁子氏は8月下旬から9月下旬にかけ、自民党本部で大物議員と面会したのだが…

■小倉智昭ビックリ、どうする佐藤のりゆき UHB・夕方生番組に「とくダネ!」看板リポーター!?

 UHBが来春、夕方情報番組をスタートさせるという。夕方はSTVの「どさんこワイド」、HBCの「イチオシ!」、HTBの「グッチ-の今日ドキッ!」が激しい視聴率戦争を繰りひろげている時間帯。そこにUHBが満を持して参戦するのだ。新番組のMCと目されているのが、キー局・フジテレビの朝の人気番組「とくダネ!」の看板リポーター、大村正樹氏である。UHBと言えば「トークDE北海道」の佐藤のりゆき氏の存在感が大きいのだが、なぜか佐藤氏ではない。しかも「トークDE北海道」の放送回数や時間の縮小が検討されているという。UHBの狙いは一体、何なのだろうか。

■観光対談 「北海道を世界屈指のリゾート地に」 大西雅之鶴雅グループ社長×加森公人加森観光社長

 急増するアジアからの観光客。北海道ほどアジアの中で世界的なリゾート地に成長する可能性を秘めた地域はない。変貌を遂げるためには何が必要なのか。北海道観光の“ツートップ”とも言われる2人が大いに議論をした。中国、香港の投資家がなぜニセコに資本を投下するようになったのか。外貨を稼ぐ“輸出産業”としての観光。さらには急速に進む中国のリゾート開発がもたらす日本人観光客の流出の可能性など、さまざまな視点で本道の観光の現状、可能性を論じている。

■食品スーパー新店ラッシュ コープさっぽろ、アークス、フードDの本当の狙い

 店舗過剰と言われる札幌圏の食品スーパー業界で、新店舗が相次いでオープンしている。「フードD」を展開する「豊月」は江別市に9月、従来の路線とは一線を画す新店を出した。コープさっぽろは10月、国内初のエコ店舗として話題を呼んだ「西宮の沢店」を札幌市西区に開業した。アークスは10月下旬、札幌市豊平区に「スーパーアークス月寒東」を出す。各社の新店舗の狙いはさまざまだが、景気低迷とデフレに歯止めがかからないなか、食品スーパー業界は生き残りをかけた“最終戦争”に突入していることは確かだ。

■「こっそり教えます」あの会社、この仕事の給料

  他人のサイフの中身を知ったからといって、自分の給料が増えるわけではないのだが、それでも知りたいのが人の心根。本誌定番の「給料特集」の人気の理由はそこにあるのだろう。今回はJR北海道、北海道新聞社、ホクレン、北洋銀行、ニトリといった本道の大企業の給与明細書を入手し、社員しか知らない赤裸々な実態をチラリとのぞいた。さらに医者、弁護士、政治家秘書から風俗嬢まで15職種の意外な年収をレポート。また、「産業・年齢別の月給とボーナス」では、ひと目であなたの給与のランクが比較できる。

■旭川市長選 幻の出馬会見で小菅正夫が用意していた文書の中身

 旭川の自民党関係者はほっとしているという。旭川市長選候補として念頭に置いていた前旭山動物園園長の小菅正夫氏が突然、不出馬を表明。それが投票日2カ月弱に迫った9月9日だった。不戦敗だけはさけなければと必死の擁立作業の結果、地元の農業機器メーカー「エフ・イー」社長の佐々木通彦氏の出馬が決まったのだ。ところで、あれだけヤル気を見せていた小菅氏はなぜ“ドタキャン”したのか。本誌はある筋から、小菅氏が出馬会見で配布する予定だった小冊子用の原稿を入手。さらに関係者の取材から、出馬決意から断念に至るまでの小菅氏の心境の変化を探った。

■国際戦略特区”で試される上田文雄の政治力

 いま壮大な構想が進んでいる。9月21日、道経連、札幌市、江別市、函館市、帯広市の共同提案で国に対し「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」の提案がなされた。世界2位の食品輸出国・オランダのような食の「知の拠点化」を目指すというもので、実現すれば大きなインパクトを本道に与えるだろう。ただ、全国各地の自治体が「総合特区」構想を打ち上げ、国の「国際戦略総合特区」指定の枠を狙っているという。一筋縄ではいかないのだ。この熾烈な競争を勝ち抜くため、今、期待されているのが上田文雄札幌市長の政治力だ。