財界さっぽろ 2010年10月号のさわり

財界さっぽろ 2010年10月号

■あえて道民の耳に逆らう!新幹線札幌延伸“北海道のここがダメ”  石井晴夫公共事業学会会長に聞く

 誰でもほめられれば悪い気はしないが、耳が痛い忠告に“真実”が秘められていることがある。北海道新幹線の札幌延伸について運輸問題の専門家に話を聞いたこの記事。サブタイトル「あえて道民の耳に逆らう!」には、そうした思いが込められている。石井晴夫公共事業学会会長は交通関係の調査機関・運輸調査局で主任研究員を長年務めた人物。運輸問題のエキスパートに、道民が“気づいていない”北海道新幹線の可能性と誘致運動の問題点を聞いた。

■寺島実郎日本総合研究所理事長  北海道活性化のカギは苫東をスパークさせること

 「アジアダイナミズムをどう取り込み、どう向き合うか。これが北海道活性化の“いろは”であることだけは間違いありません」寺島実郎氏はそうした大局観をひれきしつつ、アメリカと中華圏を結ぶ物流ラインが津軽海峡であること、サハリン開発のインパクト、そして食材王国として北海道の能力を指摘。その全ての要素の“結節点”が、空港と港湾に隣接し、広大な敷地を有する苫東だという。高度成長期の遺産、苫東をどう利用すべきなのか。

■旭川市市長選 何があった小菅正夫!?“出馬迷走”の全真相

 道内主要都市の首長選などを総力取材。「渦巻く野望と策謀…地方選、深層レポート」でまとめた。目玉はなんと言っても急展開があった旭川市長選。出馬を有力視されていた小菅正夫前旭山動物園園長が一転、不出馬となった。一体、小菅氏に何が起きたのか。マスコミ関係者の間では8月下旬から「小菅氏が出馬意欲を失っている」という情報が流れていたが、“ドタキャン”には3つの要因があったと見られている。1つが小菅氏に対するネガティブ情報が本人の耳に入ったこと。そして、2つ目が…。

■特集・噂の企業“こんなに書いて恐縮です”

 道内に関係ある名門、大手、注目企業に関し、ちまたで流れる噂を追跡した。取り上げた12社は、田中義剛氏がトップの花畑牧場、女性を襲った“鬼畜事件”の容疑者を相次いで出してしまった不動産仲介道内トップ・常口アトム、カリスマ経営者の後継問題に悩む「びっくりドンキー」などを展開するアレフーー。新聞が決して書かない、ギリギリのラインまで踏み込んだ。

■5区補選「嫌いだけど町村で頑張る」自民党幹部たち

 10月24日投開票の衆院5区補選には、自民党の町村信孝氏、民主党の中前茂之氏ら4人が出馬を表明した(9月13日現在)。みんなの党の出方も気になるところだが、選挙戦の構図としては、町村氏と中前氏の事実上の一騎打ちになる公算が大きい。自民党にとっては「この補選で町村さんが勝つことにより、札幌市長選での打倒上田の道筋も見えてくる。高橋はるみ知事の3選も確かになる」(自民党幹部)という。ところが、大事な一戦を前に、なぜか自民党内で不協和音が聞こえてくるという。それは…

■越年か!「HAC」で崩れた道のシナリオ

 JALが経営から撤退するHAC(北海道エアシステム)の、新しい事業プランが固まらない。新たな資本構成についての道と札幌市のミゾは埋まっておらず、経済界も道の出資要請に冷ややかな視線を送る。ここまで問題がこじれた最大の原因は、道が札幌市などの関係自治体、経済界に積極的な情報開示をしていないためだ。さらにJAL保有株の取得価格をめぐる疑念まで浮上しているとされ、早くもHAC問題は越年必至との見方までささやかれている。

■函館タクシー運転手殺害、石狩湾新港強盗殺人事件など13件、  道警未解決凶悪事件一覧

 4月の刑法改正で殺人など凶悪事件の時効が撤廃された。そこで事件発生から3年以上たっているものの、容疑者逮捕にいたっていない道内の凶悪事件13件を紹介する。一般的に事件発生から時間が経過すればするほど捜査は難しくなる。しかし、1988年10月に北見市内で起きた資産家夫婦殺人事件のように、住民からの情報提供がきっかけに14年の時をへて解決したケースもある。道警の捜査1課幹部は「これまでの“時効”というハードルが取り払われたことで、捜査に時間制限はなくなった。我々は犯罪者の“逃げ得”は許しません」と語り、道民に情報提供を求めている。