大壮運輸

近距離輸送とDX化による業務改革で利益を生む体質に
生活必需品の輸送に特化し、今年で創業60年の「大壮運輸」。主要取引先には、国内大手ドラッグストアやスーパー、国内最大手家具・インテリアチェーン、大手家電メーカーなどが名を連ねる。
燃料費高騰や人材不足などで疲弊する運輸業界で、昨年度は4期連続の増収増益を達成した。
豊島修治副社長は「24年度の売上高は前期比5・5%程度の増加ですが、利益率は48%上がりました。数年前から推進してきたDX化と、近距離輸送に切り替えたことが大きな要因です」と分析する。
長距離から近距離輸送に転換することで燃料費が抑えられるうえ、車体やタイヤの消耗も抑制できる。さらに、利益率の高い依頼を獲得することで人件費上昇にも迅速に対応し、人員の拡充も行った。
また、2年前にドライバー教育の専門部署を発足するなど、人材の採用と育成にも注力。給与体系や休日などの待遇改善を継続的に行っていることも人材流出の阻止に一役買っている。
一方で、業務効率化のためのDX化も3年前から進めてきた。
直近では、モニターを通して行う遠隔点呼システムを導入している。
「PDCAを徹底しています。必要なことを的確に実行し、撒いた種が実になってきている」(豊島副社長)
今夏には、札幌市北区新琴似に営業所を開設する予定だ。中継ネットワークを作るだけが目的ではないという。
「関連企業には、全国で複数拠点を構える小売企業もあり、小売業の出店戦略のように拠点単位の損益で成立させるノウハウがある。まずは試験的に北海道へ営業所を設置し、そこから本州へも展開していく。成長速度を高めていきます」と豊島副社長。

