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関工業

14年に石狩市新港西に新設した本社と工場

建機アタッチメント製造の プロ集団。環境活動にも注力

建設や解体、土木、林業、除排雪などの現場作業で活躍する建設重機。それら建機に取りつけるアタッチメントは、現場での作業に合わせてさまざまな種類が存在する。

この建機アタッチメントの設計・製造、販売を担っているのが「関工業」だ。1971年の創業以来、除排雪用のアタッチメントを中心に幅広い製品を世に送り出してきた。

同社最大の強みは、設計から製造まで一貫して手掛けていることだ。

関浩一社長就任後の2014年には、溶接ロボットや大型製品の研磨が可能な道内最大級のショットブラスト機などを積極的に導入。業界に先駆けて自動化にも取り組み、製品の均一化を図るとともに、作業の効率化によるコスト削減も実現。これにより、労働生産性が飛躍的に向上した。

また、小ロット多品種の受注生産にも迅速に対応。溶接ロボットでは難しい細部の作業は、熟練した職人が手作業で行うことで、顧客のニーズに応じた特注品の製造も得意としている。複数の製品で特許を取得するなど、他社との差別化を図ることで確固たる存在感を示してきた。

渡部桂司工場長は「教育体制を整え、職人の技術継承にも取り組んでいます。工場勤務23人のうち8人が未経験からのスタートでしたが、今では高度な技術を身につけています。ものづくりが好きで向上心があれば活躍できる環境になっています」と胸を張る。

また、社員が安心して働ける職場づくりに努め、SDGsに取り組むなど環境保全活動にも注力している。19年には、一般社団法人エコステージ協会の第三者評価委員会から「エコステージ3」の認証を受け、認定モデル企業に選ばれた。これは、環境省が策定した環境マネジメントシステムの一つで、同法人の認証を受けたのは、現在全国で21社のみ。同社は道内企業では初めて、全国でも8番目の早さだ。

関社長は「技術と信頼が当社の原点です。北海道を拠点に全国へ発信するものづくり企業としての誇りを持ち、さらに成長していきたい」と力強く語る。

大型製品の研磨に対応する道内最大級のショットブラスト機
ロボットの溶接作業
細部の溶接は、手作業で行う
ショットブラスト機で研磨したバケット
自動化が進む工場では、職人とロボットが作業する