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ベアピクセル

炎の揺らぎをグラフィックスで再現

CG分野で高い技術。自社開発のゲームもリリース予定

CG(コンピューターグラフィックス)技術は映画やゲームをはじめ、建築や医療分野などでも用いられている。「ベアピクセル」は、このグラフィックス分野で高い技術を持つ道内企業だ。

鎌田茂雄社長は現役のCGエンジニアでもあり、過去には道内の専門学校で講師を務めた経歴を持つ。映像のリアリティーを追求して独学でグラフィックス技術を研究し続け、技術書なども数多く発刊している。そのスキルは本物で、よりリアルなCG技術を求める道外企業からのオファーも絶えない。

建築物の設計や施工、補修の場面などで用いられる3次元解析ソフト「ビルディングインフォメーションモデリングソフト」(ビムソフト)の制作会社からは、3DCG制作を受託。建築物の建設や完成後の維持・管理にも持ち前の技術力を発揮している。

また、CGでは再現が難しいとされる煙や炎、雲、水、空気など形を変える「流体」もリアルに再現している。鎌田社長は「例えば炎の揺らぎは、流体方程式や熱拡散方程式を突き詰めてプログラミングすることで、より本物に近づけます」と話す。

一方、ゲーム業界などで注目される「リアルタイム・レイ・トレーシング」と呼ばれるレンダリング(処理技術)のプログラミングも得意としている。現実的な光の反射をシミュレーションし、見る角度や高さなどの「視点」から逆算して光の反射をリアルタイムで再現するもので、中段の球体の制作例も視点に応じてさまざまな反射を再現した。道内でこの技術を有するCG会社は極めて少ないという。

また、人材不足と言われるCGエンジニアの養成にも尽力。オンライン講座を開設し、高いレベルでの技術指導を行っている。並行してPCゲームソフトも開発中だ。今冬には全工程を自社でつくりあげた推理ゲームをリリース予定となっている。

「学生時代にゲームを自作したことがエンジニアを志すきっかけでした。北海道から世界に向けてゲームを発信していきます」と鎌田社長。

光の反射をリアルタイムで再現
鎌田茂雄社長
書籍や電子書籍で数多くの技術書を発刊している