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北開技研工業

後列左から沼田佳太さん、岩田慎之介さん、中川大地さん、大友駿さん。前列左から正岡翔也さん、表原翔太さん、藤木亮平さん、寺澤寛太さん

若手社員を積極採用。特許取得のHT工法を全国に拡大

1978年創業の「北開技研工業」。建物の屋根や屋上などの防水工事を全国各地で手がけている。近年は北広島市の大型イベント施設や道内の大規模工場などに携わってきた。

自社開発した「HT工法」は、雪が多い北海道で最適とされるアスファルト防水工法に独自に改良を加え、水密性と断熱性能を高めた工法で特許も取得した。

大きな特徴は、防水面の下地にコンクリートを施工しないこと。軽量化したことで従来工法よりも工期短縮やコスト削減が期待できる。

重量が軽いため大規模商業施設や倉庫、工場など屋上面積が広い建築物や屋上に構造物を設置するなど、加重が想定される屋根にも最適で、太陽光発電パネルや屋上緑化などの下地としても推奨される。

環境にも優しく、施工時にカーボンニュートラルやSDGsとの相性は抜群だ。 

さらに、工事手順がマニュアル化されており、未経験者でも数年で技術をマスターできる。 

同社ではこのHT工法の全国展開を図るべく、関東支店を設置。その活動の一翼を担う若手社員を積極的に採用している。

昨年入社した中川大地さんは「この2年で19歳から26歳の8人が仲間となりました。同世代のカンボジア人技能実習生もおり、若い世代が働きやすい環境になっています」と話す。 

また、このうち2人は社会人野球チーム「札幌ホーネッツ」の選手でスポーツ振興の観点から採用を決めた。シーズン中は野球活動を優先させ、働きながらドラフト指名を待つ若者を応援する。

中川健社長は「雨漏りは屋根以外にもあらゆる部位で発生します。そのため技術の向上には、建物全体にかかわる知識や技術が不可欠です。これらをベテラン社員から若い世代に伝えることが重要と考えています。本州でも通用できるよう経験を積ませていきたい。さらに、社内評価制度を見える化して給与や昇進に反映させる仕組みも計画中です」と語る。

HT工法は屋上緑化にも対応
同社の幹部。左から瀬戸洋介部長、小嶋成昭常務、中川康専務、三浦正彦本部長