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東北木材

苫小牧工場で板材(サイディング)の切断・加工を行う

積極的な設備投資で住宅建設の現場を支える

「東北木材」は1966年創業の木材商社。銭函事務所を拠点に北欧や北米などから建築資材を輸入販売するほか、苫小牧市の自社工場では住宅の構造プレカット事業も手掛ける。

ウッドショックにより、木材調達に影響が出ている企業が多い中、独自の調達ルートで安定供給を続けており、大手ハウスメーカーや地場工務店から高い信頼を獲得している。

2018年には道内の木材商社で初めてサイディングプレカット事業を開始した。

サイディングプレカットとは、あらかじめ板材を工場で加工し、現場で組み立てのみを行う工法で、本州大手ハウスメーカーを中心に普及が進んでいる。

同工法は現場で板材を加工する必要がないため、粉塵・騒音が発生せず、現場周辺への影響が少ない。さらに、現場での施工も容易で、工期の短縮に繋がるほか、業界の課題とされている職人不足にも対応できる。

杉山智城社長は「環境に配慮したビルダーさまに対して、大変有効な工法です。当社でも徐々に需要が増えつつあります」と語る。

また、同年6月には、銭函事務所から徒歩1分の場所にショールーム「Nor.t.h(ノース)」をオープンした。輸入建材に力を入れているのが特徴。

同社では木質建材の全てを商品化せず、1、2年間状態を確認した後、良質な建材のみを提供する。ショールームでは、数年経過後の木材が醸し出す雰囲気を実際に確認できる。一般消費者も購入が可能で、顧客満足度は高い。

さらに、敷地内ではログハウスやトレーラーハウスなども展示販売する。コロナ禍の巣ごもり需要もあり、広さ10平方㍍ほどの小さな家「タイニーハウス」の売れ行きが好調。全国から問い合わせがある。休憩所や離れとして幅広い層から人気だ。

「今後、職人不足はさらに深刻になる。需要を先読みして、積極的に設備投資を行います。お客さまに安定供給すべく、体制を整えていきたい。来年春には、2000平方メートルの備蓄用倉庫を新設予定です」と杉山社長。

杉山智城社長
ショールーム「Nor . t . h」