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札幌整形外科脊椎脊髄センター

4月に移転した新病院

新病院が完成。整形外科から循環器内科領域まで診療

医療法人社団元氣会の中核施設として、各種整形外科疾患の外来から入院、手術、リハビリまで行う「札幌整形外科脊椎脊髄センター」。3人の整形外科医が在籍し、頸部痛や腰痛、上・下肢のしびれなどといった脊椎脊髄疾患の治療を得意としている。

同院を率いる鐙邦芳理事長は、頸椎の「椎弓根スクリュー手術」を世界で初めて成功させたことでも知られる整形外科医。変形した脊柱の矯正や頸椎の再建、他院で受けた手術のサルベージ(やり直し)などにも実績がある。北大名誉教授やアジア太平洋脊椎外科学会日本代表理事なども兼務しており、その手技を学ぶため世界中から多くの見学者が訪れている。

20年からは、損傷した頸椎を可動性がある人工椎間板に置換する「頸椎人工椎間板手術」を開始。22年7月までに42例を実施している。同術式は主に椎間板ヘルニアや頚椎症性神経根症、脊髄症の患者を対象にした手術。道内では、同院など経験豊富な医師と医療設備が整った3つの医療機関でしか実施していない。
「手術は1時間から1時間半で、患者への負担が少なく、翌日には首の運動も自由にでき、頸椎カラーなしで歩行が可能なので、3〜5日程度の入院で仕事に復帰できます」と鐙理事長。

また、今年4月1日からは隣接地に新築移転し、新病院で診療を開始している。8月末には、駐車場や正面玄関、中庭も完成する予定だ。

さらに6月1日には併設する「札幌リハビリテーションクリニック」に循環器内科が加わり「おぐま循環器内科・リハビリテーションクリニック」としてリニューアル。新たに着任した小熊康教院長は、札幌整形外科における手術前後の血圧や脈拍などの血行動態管理に加え、〝歩いて通える循環器内科かかりつけ医〟を掲げて生活習慣病の予防に尽力している。心臓病の原因となる高血圧症や脂質異常症、糖尿病の早期発見と治療に取り組む。

鐙理事長は「脊椎疾患を抱える高齢者は循環器系の疾患を併発していることも多い。幅広く診療できる体制が整ったと考えている」と語る。


●診療科目

整形外科、リハビリテーション科

●診療時間

月・火・木・金  8:30〜12:00、13:30〜17:00
水・土     8:30〜12:00

●休診日

日曜・祝日

「おぐま循環器内科・リハビリテーションクリニック」
鐙邦芳理事長
小熊康教院長
心臓全体の働きを調べることができる心電計や超音波検査装置などを備える