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全日計

ガソリンスタンドの新設時は、燃料タンクの埋設や配管工事などを手がける

〝給油できる当たり前〟〝暖をとれる当たり前〟を守る

2004年に危険物施設のメンテナンス事業者として創業した「全日計」。12年には地下タンクの設計・製造国内大手「タマダ」(本社・石川県)の傘下となり、主に現在は「ENEOS」や「出光昭和シェル」などのガソリンスタンドの地下に埋設された燃料貯蔵用タンクの設計・施工、保守業務を担っている。

「国内では過去に、タンク内外の経年劣化により腐食が進み、燃料が漏えいして土壌が汚染された事例もあります。当社では埋設から15年が経過したタンクを対象に、毎年漏えい検査を行っています」と渡邊隆臣社長。

また、埋設から40年以上経過したタンクには、タマダ社独自の改修工事「FRPライニング」やタンクの新設を提案している。

既存タンクを活用する「FRPライニング」は、タンク内のガス抜きや清掃を行った上で、内部の鉄板や配管に特殊な樹脂を塗りこむ改修工事。腐食を防ぐ独自のFRP層を形成することで、長期にわたって漏えいを予防する。費用はタンクの入れ替えに比べて3分の1程度で、年間40~50件の工事を受注している。

タンクの入れ替えやガソリンスタンドの新設時には、タマダ社製の「SF二重殻タンク」を提案。タンク内外部には十分な防腐処理が施されており、仕上げに前述のFRP層を形成することで将来にわたってメンテナンス費用を大幅に軽減できる。

また、分譲・賃貸マンションやホテル、ビル、工場などの暖房やボイラー、非常用発電設備の燃料として使われている重油や灯油、軽油を貯蔵するタンクの保守も担っている。

「年間500件以上の設備を点検していますが、必ず10~20件の不具合が見つかります。『暖房がつかない』といった事態は、北海道では緊急事態。スイッチ1つで暖房がつく、こうした日々の〝当たり前〟を守ることが我々の責務です。昼夜対応にあたっている社員には感謝しかありません」と渡邊社長は話す。

これら燃料用タンクの保守業務は、特殊な技術が必要なため、同業者は数える程度しかない。技術の伝承を目指し、採用活動にも力を入れている。来年3月には新社屋も完成する予定だ。
「脱炭素社会の実現に向けて現在、大手エネルギー企業は水素燃料を開発しています。燃料が変われど貯蔵するタンクは必要不可欠ですから、こうした市況をチャンスと捉え、当社の存在感を示していきたい」と渡邊社長は意気込む。

渡邊隆臣社長
「FRPライニング」で漏えい防止
タマダ社製「SF二重殻タンク」