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繁富工務店

各種工事を計画し、設計や管理を行う施工管理者

〝できるかも〟という少し難しい目標が成長させる

携わりたい仕事と本人の適正が合致しないことは少なくない。発電所や上下水道施設などの機械据付や管工事、電気工事、設備の新設・保守を担う「繁富工務店」では、社員一人ひとりの長所・短所を特性と捉え、柔軟な働き方を推進している。

繁富敬史社長は「職人としてエキスパートを目指すのも、工事の管理者として現場のリーダーとなるのも、どちらの道も尊い。現在は各部署を経験させ、本人の希望と適正を考慮し、配属先を決めています」と話す。

生活インフラを支えるプラント施設の工事で求められるのは、計画性と対応力。1949年の創業から今日まで、技術を磨き、伝承してきた。同社に在職する施工管理者や職人のレベルは総じて高い。

「周囲の環境で成長速度は大きく異なる。高いレベルの中で、スキルに応じて少し難しい目標を課しています。この〝できるかも〟が本人の成長を加速させます。プロ集団に身を置くメリットは大きい」と繁富社長。

また、入社から5年が経過した社員には、〝学びなおし〟として社内研修を計画。実技研修のほか、コンプライアンスや安全性について改めてインプットする機会を設けている。

「技術者の世界では、どうしても属人的教育に偏ってしまいます。仕事に慣れ〝視界〟が広がってきたタイミングで、学びなおしをすることが重要だと考えています」(繁富社長)

個人のバリューと待遇面の連動も大きなテーマとなっている。

繁富社長は「生活水準を上げ、技術者のステータスを高めていきたい。待遇の向上は、価値ある仕事をしていると実感できる重要な要素。残業しないと収入が増えないというこれまでの業界の構造を打破し、今後数年間で『平均年齢30代・平均年収600万円代』を目指しています」と意気込む。

社員に強い思いを抱くのは、過去の〝失敗〟もあるからだ。

「売り上げ優先で受注量を増やしすぎ、現場が疲弊して退職者が相継いだ時代もあります。ワークライフバランスの推進など社員の幸福度を高めていくことが、結果的に会社の成長につながることを学びました。有言実行するのみ」と繁富社長。

 


 

■プラント工事部
内山 慶太さん

施工管理者として働いています。入社数年は、学びの連続でした。初めて担当した現場では現場管理や書類・図面作成など慣れない作業に四苦八苦しましたが、周囲のサポートのおかげで完遂できました。今は問題が起きても自分で解決できるケースが増え、成長を実感しています。元請け会社や協力会社から「内山とまた一緒に仕事したい」と思われる施工管理者を目指しています。

通称〝電車通り〟沿いに建つ本社
繁富敬史社長