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かわむら整形外科

川村 大介 理事長・院長
かわむら・だいすけ/1989年岩手医科大学歯学部卒業。93年同大学医学部卒業後、北海道大学整形外科教室入局。2002年北海道整形外科記念病院医長などを経て14年に医療法人社団かわむら整形外科医院院長。21年から現職。

骨粗しょう症予防と〝骨質〟重視の人工膝関節手術を提供

富良野市を拠点に上川・空知管内を医療圏とする「かわむら整形外科」。整形外科の少ない芦別市や赤平市をはじめ、人工関節手術では旭川市からの来院もある。外来診療から手術、入院、リハビリ、さらにグループホームや通所リハビリ、介護サービスまで備え、富良野市で完結できる医療・福祉体制を構築する。

川村大介理事長は、下肢疾患専門で、中でも変形性膝関節症を得意とする。

「変形性膝関節症は、軟骨がすり減るなど加齢によって引き起こされます。特にO脚傾向のあるアジア人や正座で座る人は要注意です。外傷による半月板の損傷も原因となるので、若い人や運動選手でも発症します」

症状は「痛み」はもちろん「関節が曲がらない」「水がたまる」など。悪化を防ぐには日常生活でひざに負担をかけないようにすることで、肥満による体重の増加も原因となるため、食事コントロールも有効。股関節の筋肉を鍛えるといったセルフリハビリも効果的だ。

「当院は保存的治療を優先していますが、痛みが強く日常生活に支障が出た場合に、鏡下半月板修復や骨切り術も含めた外科的治療を選びます。施術の際は顔と名前が一致する治療を心掛けており、人工関節置換手術は年間100例ほどに留めています」

人工関節置換術の場合は、「全置換術」と「部分置換術」を症例によって選択し「手術用ナビゲーションシステム」を活用する。手術時に人工関節の挿入位置や角度をガイドする医療機器で、道内ではまだ導入例が少ないが、手術の精度を追求している。

「重要なのが〝骨質〟です。骨が弱ければ骨と人工関節の接着にセメントを用いますが、経年劣化すると緩みが生まれる。可能な限り接着剤を使わない〝セメントレス治療〟を推奨しています」

そのため骨粗しょう症対策にも注力して、日本骨粗鬆症学会認定医として骨の健康維持にも取り組む。治療前には骨密度の検査も行う。

「人工関節は健康だからできる手術といえます。症状の悪化を防ぎ、よりアクティブに動くこともできる。元気な人がさらに長く生きるための手段と捉えて下さい」

人工膝関節全置換術(右)と部分置換術(左)の術後レントゲン写真
手術用ナビゲーションシステム
JR富良野駅から徒歩圏で周辺自治体からも患者が訪れる