アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡特別版】札幌ドームでの徹底した感染症対策

手に触れる部分はすべて消毒

斉藤 新型コロナウイルスの感染拡大のため、選手との対談企画は休止となります。今シーズンのプロ野球は、6月19日に無観客試合で開幕。7月1日からは政府の方針に従い、観客数5000人の上限を設けて試合を開催しています。

今月号は、札幌ドームの感染対策について、ファイターズの試合運営の担当者で事業統括本部エンターテイメント・クリエーション部ゲームオペレーショングループ長の鈴木祥平さんに話を聞きました。

鈴木 NPBとJリーグが合同で設置した「新型コロナウイルス連絡対策会」によるガイドラインに沿って、試合を実施しています。それに基づき、球場での感染対策に取り組んでいます。

具体的には観客のマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、消毒、検温、うがい・手洗いなどです。基本的な感染対策をとにかく徹底しています。

たとえば、入場ゲートではサーモグラフィーの検温を実施しています。37・5度以上の方の入場はご遠慮いただいています。サーモグラフィーで熱があった場合、額、脇の3段階で検温をおこないます。

斉藤 感染対策で、とくに意識していることは?

鈴木 消毒になります。札幌ドームを訪れたファンが手で触る可能性があるところはすべて、と考えています。エレベーターのボタン、ドアノブなどは1時間に1回消毒しています。スタンドも1席1席。座席の手すりの部分もすべてです。

ベンチ内もしっかり消毒しています。常に消毒液も設置しています。

このほか、入場ゲートの担当スタッフはマスクだけではなく、フェースシールドも着用する。お金のやりとりはトレーを通しておこなう。持ち物検査もこれまではスタッフがバッグなどに手を入れて確認していましたが、来場者自身に広げて中を見せていただくとか。新型コロナの感染防止策に現時点で100%はないと思います。ただ、考えうること、できる限りのことには取り組んでいるとの思いはあります。

斉藤 選手たちの感染対策は?

鈴木 選手たちは、球団トレーナーの管轄のもと、球場に来る前、来てからなど、日々の検温など、体調管理を徹底しています。

斉藤 感染対策として、十分な換気がいわれますけど、札幌ドームの換気は?

鈴木 ドーム球場ということで屋内のイメージがあると思いますが、まったく問題ありません。専門家からもお墨付きをもらっています。機械での空調なので、動かす台数を増やす対応もとっています。

鈴木祥平さん ©財界さっぽろ

「危なくないよ」と伝えたい

斉藤 8月1日からは観客数を収容50%に拡大予定でした。しかし、コロナ拡大で政府は大規模イベントの人数制限緩和を延期。NPBも8月末まで観客数5000人を継続することになりました。

鈴木 収容50%になった場合、札幌ドームの上限は2万人となります。入場ゲートを増やすほか、入場前の待機列、球場内の売店・トイレの列などのソーシャルディスタンスの確保をより意識していきたいと考えています。

斉藤 最後にファンに向けて。

鈴木 コロナ禍のため、感覚的に「人が集まるから、球場に行って応援するのはやめよう」と思うファンは多いはずです。いま、5000人ほどの大規模な興行はJリーグとプロ野球くらいしかないと思います。その分、安心・安全な対策を徹底し、球団が責任を持って興行するということが使命です。球場は「危なくないよ」と伝えたいです。ファンのみなさんにも一緒に感染対策に取り組んでいただけたらと思います。

一方で、来場されるファンを見ていると、これまでの観戦スタイルとの違いに戸惑っていると感じています。大きな声で応援ができない、応援団がいない、アルコールが飲めない、売店が早く閉まるなど。野球はエンターテインメントの1つだと感じています。コロナ禍でも球場を訪れるファンに、より多く楽しんでいただけるような取り組みをしていきたいと考えています。試行錯誤していきます。

(構成・竹内)

……斉藤さんの対談後記などは本誌財界さっぽろ2020年9月号(8月14日発売)でお楽しみください。


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