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アルファコートグループ

NTT都市開発やJR北海道など大企業の賃貸物件もプロデュース

〝好循環〟で利益を生み出す。次世代人材の育成も強化

来年3月に創立20年を迎える「アルファコートグループ」。

2004年創業の総合デベロッパー「アルファコート」を中心に事業領域を拡大し、現在は15社でグループを形成。不動産開発から分譲・賃貸マンション、ホテル、店舗の企画、設計、施工、管理、解体など、多岐にわたる不動産ビジネスをグループ一貫で手がけている。

23年5月期連結決算では、売上高136億円、営業利益36億円、純利益26億円、純資産105億円、総資産470億円を計上した。20期目となる今期は、売り上げ目標150億円、営業利益42億円を掲げており、達成がほぼ確実となっている。

盤石な経営基盤の〝源〟となっているのは、賃料収入だ。ビルやマンション、ホテル、コンビニやドラッグストアなど札幌市内を中心に150もの物件を保有しており、年間の賃料収入は45億円を超える。金融機関への返済など、諸経費を差し引いても18億円以上が残るという。これを原資に新たな不動産ビジネスを展開するのが同社のスタイルだ。

財閥系デベロッパー勤務時代に培った開発力と〝目利き〟で同社を率いる川村裕二社長は「賃料収入は景気に左右されにくく、コロナ禍でも増収増益。引き続きストック型ビジネスを拡大させていく」と語る。

22年度もビル7棟、店舗4棟、マンション11棟550戸を取得。投資額もダイナミックだが、そのペースも早い。当然、優良な土地や物件の情報がいち早く寄せられる。この好循環も同社の成長を促進する要因だ。

経済変動によるリスクを低減するため、取得した不動産は長期融資契約を基本としている。また、市況によっては機動的に売却するなど、あくまでも利益の最大化を目指している。

札幌市内で高齢者施設の開発プロジェクトも動き出している。今年4月には発寒にサービス付き高齢者向け住宅が着工したほか、11月に新琴似、来年4月に澄川エリアでも着工する。それぞれ土地は約1000坪、80戸規模となる計画だ。この3物件は国内最大手の高齢者施設運営企業との長期借り上げ契約となる。顧客の質も高く、事業としての安定性は抜群だ。

また、津別町のコミュニティー施設や留萌の道職員住宅、更別村のサテライトオフィスなど、地方創生プロジェクトも手がけるなど、地方の不動産活性化にも対応している。

一方、グループの総合力を生かし、大規模再開発や大型物件にも対応。これまでに釧路、帯広など道内中核都市の再開発事業を主導してきた同社では、北見経済センタービルの建て替えを含む周辺の再開初事業をスタートした。

24年に完成予定の新たなビルは6階建てで、地元商工会をはじめ、民間企業など入居者の見通しが立ったほか、同エリアに新築する分譲マンション棟の保留床の販売先も決定。順調にプロジェクトが進んでいる。

今秋には、同社初となる道外プロジェクトが青森県八戸市で始動する。再開発案件としてホテルと分譲マンション、駐車場棟などを誕生させる。

また、次世代に向けた人材の採用と育成を強化している。

川村社長は「不動産事業は街づくりを通じて地域に貢献し、携わったプロジェクトが多くの人の役に立っているという喜びを実感できる仕事です。当社ではのびのびと無理なく働ける環境があります。人の役に立ちたいと思う人と一緒に仕事をしたいですね」と語る。

一棟貸し店舗の所有数は55棟にのぼる

 

大型賃貸マンションを多数所有

川村裕二社長
北見で進行中の再開発プロジェクト(完成予想図)
帯広・旧イトーヨーカドー跡地の再開発
自社で所有する「アルファ札幌北口ビル」