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北海道ロードサービス

循環式ブラスト工法の施工風景

新工法で産業廃棄物を大幅に削減。道内の普及にも尽力

〝道と人を支え、安全な環境へ〟をテーマに掲げ、道内全域で道路維持管理を手掛ける「北海道ロードサービス」。

道内の50%とトップシェアを誇っているのが薄層カラー舗装工事だ。舗装路面にセラミックなどの骨材を接着して、タイヤとの摩擦抵抗を上げる工事で、交通事故防止に寄与している。

こうした道路維持管理のほか、除排雪や橋梁の塗装工事、コンクリート構造物補修などの土木工事など事業の展開は多岐にわたる。

2021年からは橋梁補修事業を強化しており、環境への配慮を目的とした新工法「循環式ブラスト工法」を導入した。

同工法は橋梁の塗り替えに用いる。従来工法は、古い塗装に研削材を吹きつけて剥ぎ取るが、大量の研削材と塗膜くずが発生するという問題があった。塗装面積が1000平方㍍の場合で研削材約40㌧、塗膜くず約1㌧が産業廃棄物として処理されていた。

しかし、循環式ブラスト工法は専用の機械設備により、発生する研削材と塗膜くずをバキューム吸引し、選別装置で分別ができる。塗膜くずは廃棄するが、大半を占める研削材は循環させて再利用するため、従来工法と比較して産業廃棄物を約97%削減することが可能となった。

また、産業廃棄物の運搬や処理に伴う車両の削減にもなり、CO2の排出量も大幅に低減できる。

千葉敬社長は「昨年8月に北海道開発局発注工事では初となる、循環式ブラスト工法が採用された工事を受注しました。当初は従来工法での発注でしたが、受注後の協議で優位性をご理解してもらい、新工法に変更していただきました。今年2月にも新たな案件を受注しています。普及が進んでいますが、道内工事での採用はまだ少ないのが現状です」と話す。

普及を加速させるため、一般社団法人日本鋼構造物循環式ブラスト技術協会(本部・東京都墨田区)の会員としても活動。官公庁などの発注者向けに工法の勉強会を全道各地で行い認知度向上に尽力している。

「道路の維持管理事業そのものが11番目の項目『住み続けられるまちづくりを』に該当しますが、これに加えて環境へも配慮した事業を展開していきたい」と千葉社長は意気込む。

専用の機械で研削材を再利用。産業廃棄物を大幅に削減
千葉敬社長