ほっかいどうデータベース

丸ウロコ三和水産

徹底した衛生管理体制を敷く工場でホタテを加工

新たな挑戦で〝オホーツクブランド〟を強化。映画制作にも賛同

水産業界の慣例にとらわれず、独自路線を突き進む水産加工会社「丸ウロコ三和水産」。近年進めてきた仕入れ先の拡大もその一環だ。

「我々の主戦場であるオホーツクエリアは、道内でも特に海産資源に恵まれていますが、現状に満足すれば会社は衰退する」と山崎和也社長。

本社を構える紋別市のほか、オホーツク海沿いの興部町沙留、雄武町、湧別町など複数の漁業組合からの仕入れ体制を確立。2022年に傘下に収めた浜頓別町の「マルヨ横田水産」も含め、オホーツク全域から原料の仕入れが可能となった。売り上げも右肩上がりで、22年度の売上高は70億円を見込んでいる。

商社や量販店、外食チェーン向けの商品と輸出商品、さらにはECサイトを通じて一般消費者用商品も販売する。特にECサイト経由の商品は、使い切りサイズを用意するなど、それぞれ異なる水産物加工およびパッケージングによって利便性を高めている。

オホーツク産海産物のさらなるブランディング向上にも力を注ぐ。紋別市を舞台に地方創生コンサルティングの雪国物語(本社・札幌市、宮成秀治社長)が制作した短編映画「オホーツク流氷物語」の撮影にも惜しみなく協力した。

今年2月、主演で旭川出身のAKB48メンバー坂口渚沙さんと、遠軽町出身のタレント桜井木穂さんが紋別市内で撮影を行った際には、撮影場所の提供をはじめ、多方面に撮影協力を呼びかけた。

宮成社長は「映画のコンセプトは紋別市および特産品のPR。今年3月に東京のマーケティング会社『GO』と提携し、初期投資ゼロで地域特産品のブランディングを請け負う新サービスも開始しますが、やはり地域の知名度向上が重要。歴史や生産者の思いなど、商品の物語を映像で発信することで需要を喚起します。映画は年内に開催される『ふるさと映画祭』で上映予定です」と話す。

なお、雪国物語の次回作は、「横田水産」の本社がある浜頓別町が舞台。同社を含めた官民一体のプロモーションムービーを制作する計画だ。

「時代に応じた宣伝方法で国内需要を喚起していきたい。今後もチャレンジあるのみ」と山崎社長は力を込める。

山崎和也社長
オホーツクの海の幸を国内外に販売
映画には坂口渚沙さん、桜井木穂さんとともに山崎社長や社員も出演