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札幌心臓血管クリニック

ロボット補助PCIを駆使する藤田理事長。コックピットに座り、術者としてカテーテルを操作する

分院開設やサテライト外来の設置で地域医療に貢献

新札幌分院を開院し、症例数も伸長

循環器内科医で心臓カテーテル治療に携わってきた藤田勉理事長が08年に開院。外科・内科のハイブリッドな治療体制を構築し、心臓疾患専門医院として実績を積み重ねてきた。

22年は、21年に導入した「ロボット補助PCI」 を年間120例以上実施し、症例数は国内最多となった。また、「TAVI」や「MitraClip」といったストラクチャー手術やロボット支援手術の症例数も伸ばしている。

7月には、新札幌の再開発エリアに新設された医療モール「D‐スクエア」内に、初の分院となる「新札幌心臓血管クリニック」を開院。「本院には通いにくい厚別区近郊の患者にも医療技術を提供したい」との思いから開院に踏み切った。予約や紹介状も不要で広く門戸を開いており、立地の良さも相まって新患が後を絶たない。23年11月には地下鉄直結となる予定で、さらに利便性が向上する。

「駅ビルや商業施設を利用した際にでも気軽に来院してほしい」と藤田理事長。

地域医療と循環器学会の発展に寄与

23年1月には「函館脳神経外科病院」内に函館サテライトを設置予定で、本院の医師が外来診療を実施する。サテライト外来実施の背景には、藤田理事長の「循環器の医療過疎をなくしたい」との思いがある。これまでも札幌市内はもとより、稚内、帯広、網走など道内45カ所の基幹病院にサテライト外来を設置。地域医療に貢献してきた。今回の函館への設置は、東北圏進出への足掛かりともなる。

このほか、24年4月には札幌市豊平区に「新札幌心臓血管クリニック」と同規模の分院を設置予定だ。将来的に東京への進出も視野に、道内での実績を積み重ねていく。

また、23年4月に「医療法人誠心会」と法人を合併し、病床の一部を本院に譲渡するほか、4年後をめどに本院の増築も控える。これに伴い、本院の病床数を104床から計150床まで拡大させる。藤田理事長は「少しでも多くの患者を救えるよう、最善を尽くしたい」と話す。

23年8月には、検査の待ち時間短縮を目的に3台目のCTを導入予定。初診から治療まで〝待たせない〟迅速な診療体制を強化し、患者のストレスも軽減する。

さらに、新たに医師5人を招き、35人の医師たちによる診療体制を整える。道内外各地の医師との交流や連携を深め、地域医療の充実に寄与していく方針。

一方、23年中に「コアラボ」を立ちあげる。「客観的にカテーテルや心エコーなどの画像解析や蓄積されたデータの測定などを担う独立部門で、解析データから得られる知見を生かして、心臓疾患分野における研究計画の立案や臨床計画のディレクションに携わる。第三者機関として公平な解析と解釈で研究の信頼性向上を図り、循環器学会の発展に貢献していきたい」と藤田理事長。


TVコメンテーターとしても活躍する藤田勉理事長・院長

初診から治療まで〝待たせない〟迅速な診療を実践している札幌心臓血管クリニック
手術支援ロボットを用いた遠隔操作による手術を実施
22年7月に「新札幌心臓血管クリニック」を開院
二層検出器を搭載した「スペクトラルCT」