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エフリード

低層物件以外に高層物件も多く手がける。外観は分譲マンションのように仕上げるなど、入居者ニーズに応えている

「ハイウォール工法」で道内初の高層物件を建築中

今年4月で創業60年を迎えた「エフリード」。賃貸マンションの企画や施工、管理までをグループ内で完結させている。 
年間60棟前後をコンスタントに供給し、施工棟数は道内でも上位。現在も40棟(8月15日時点)の賃貸マンションを建築しており、これまでの施工棟数は500棟以上にのぼる。今期の受注高は90億円に達する予定で、競争が激しい業界で着実に実績を伸ばしている。

〝妥協なきモノづくりへの挑戦〟をテーマに掲げ、歳月が経過しても劣化しない美しい外観や飽きの来ないデザイン、高い機能性や堅牢な構造を追求。施工数の1割以上が新規オーナーからの依頼であり、新規受注割合は業界屈指。オーナーや設計会社からの信頼も厚い。

こうしたモノづくりに対する姿勢が顕著に表れているのが、札幌市豊平区で目下建築中の8階建て賃貸物件だ。高層マンションとしては、道内初となる「ハイウォール工法」を採用している。 

同工法は、通常5階建て以下の中高層RC造に用いられる工法だが、昨年「さくら構造」(本社・札幌市北区)が8階までの壁式鉄筋コンクリート造の確認済証を取得。これにより6階以上の施工も可能になった。複雑な解析が必要となるため、全国でも限られた企業しか施工できない特殊技術だが、施工力が自慢の同社ではいち早く採用。従来工法と比べて耐震性が高く、工費は坪単価で5%ほど削減できるという。今年度中にも同工法を採用した新たな物件を札幌市内で着工する予定だ。 

昨年からは神奈川県に拠点を構え、関東への物件供給も本格的にスタートさせた。11月には、同社にとって関東圏初となる企画賃貸マンションが神奈川県平塚市に竣工する。来春には都内を含め2棟が竣工予定で、道内で培ったノウハウを関東圏に落とし込み、24年までに30棟の物件を供給する計画だ。
藤江伸二社長は「関東のような人口が集積するエリアへ視野を広げるのも1つの選択肢です。時代の変化に対応する賃貸経営を提案していく」と話す。

ホテルライクな共有部も入居者から人気が高い
神奈川県平塚市の物件パース。11月に竣工予定だ