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道南バス

車体の「グリーン」は平和と成長、広大な北海道の大地を、横の「ホワイト」は純粋と清潔を象徴したカラーリング

運行の状況がリアルに把握できる「バスロケーションシステム」を導入

道南バスは1925年(大正14年)の創業以来、室蘭・苫小牧市内の路線バスをはじめ、倶知安から浦河までの30市町村エリアをカバーし、地域における生活の足として安全・正確・快適な運送事業を展開。現在では、高速都市間バスや団体貸切バスなどの観光分野を含め、事業の幅を広げている。

昨年来のコロナ禍により全国的にバスの利用率は大きく低下。最近になって感染対策の浸透やワクチン接種などで通勤・通学利用の客足は戻りつつあり、長谷川義郎社長は「現状に即した運行体制を整え、旅客サービスの向上を図りながら利用増を目指したい」と語る。

そうした施策の一環として同社では今年7月からバスロケーションシステム「バスキタ!道南バス」をスタートさせた。これは各バスにGPS機器を搭載して、スマホやパソコンでほぼ全路線の運行状況(一部の高速はこだて号、市町村のコミュニティ交通を除く)がリアルタイムで確認できるというもの。バスの現在地や遅延状況、走行経路、料金、接続などがひと目で分かり、そうした情報は主要バスターミナルをはじめ、運行地域のJR駅、病院、大型商業施設などに設置した大型ディスプレイ(電子看板)でも表示される。

「導入にあたっては室蘭、登別、伊達、苫小牧の各市に多大なるご協力をいただきました。このシステムを利便性の向上や新たな需要創出につなげていきたい」と長谷川社長。

また、観光面の対策として、地元の内航海運業のスターマリン(本社・室蘭)と提携。

バスと海上観光船からの眺望を組み合わせて、新たな視点から室蘭の観光資源の魅力を見直し、食も兼ねたツアーの商品開発にも取り組み始めた。

「測量山からの眺望や工場夜景など、室蘭は点としての観光資源は豊富で、これらを陸海からの視点でつないで、新たな観光スタイルを創出したい」と長谷川社長。

長谷川社長は今年6月に室蘭観光協会副会長の1人に選任され、近隣地域を含めた観光振興に視野を広げたい意向。中でもかつての石炭積み出し港(炭鉄港)だった室蘭と空知の産炭地域の産業遺産、7月に世界文化遺産登録となった北海道・北東北の縄文遺跡群、室蘭市の脱炭素社会創造の取り組みなど素材は豊富だ。

「バス事業者の立場からもこれらとの連携・振興に協力し、ポストコロナの事業活性化に結び付けたい」(長谷川社長)としている。

長谷川義郎社長
道南バス東町ターミナルにある「バスキタ」の電子掲示板
各バスに備えられたGPS機器