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「独自審査」で検索すると、カードを並べた比較記事が出てきます。ただ、その言葉がカード会社の公式ページにあるかどうかは別の話です。
発行会社は入会審査を行います。割賦販売法は原則として「支払可能見込額の調査」を求めていますが、経済産業省の資料には例外措置も並んでおり、極度額30万円以下のカードには通常の算定を行わない特例があります。
公式ページに「独自の審査基準」とある例はあります。ただし判断の基準そのものは、どの発行会社も公開していません。
信用情報機関に残る期間は3機関で違います。クレジットカード以外の決済手段にも、それぞれ別の条件があります。
公式ページに「独自の審査基準」とあるカードは限られる

比較記事が「独自審査」として挙げるカードは十数枚あります。そのうち、カード自身の公式ページに「独自の審査基準」またはこれに相当する表現があるのは一部です。
公式ページに「独自の審査基準」とある例には、ライフカードと三井住友カード プラチナがあります。この2枚は年会費も申込対象も大きく違います。
公式ページに「独自の審査基準」がある例
ライフカードの公式トップページには「また、ライフカードは独自の審査基準があるため、初めてクレジットカードを作る方におすすめです。」と書かれています。同社の「審査に不安がある方へ」のページにも「独自の審査基準」という表現があります。
もうひとつの例は上位グレードのカードです。三井住友カード プラチナの基本情報一覧では、お申し込み対象の欄に「三井住友カード プラチナ独自の審査基準により発行させていただきます。」と書かれています。
年会費は本会員55,000円(税込)のカードにあたります。
ここで注意したいのは、この表現が発行の可否について何かを述べたものではない点です。公式に書かれているのは、そのカードに固有の基準があるという事実だけです。年会費55,000円のプラチナカードにも同じ表現が使われています。
審査の内容を公開していないとする例
PayPayカードの公式FAQには「審査の内容については、開示しておりませんのであらかじめご了承ください。」と書かれています。
同じFAQには「審査の結果ご利用をお断りした場合、再度の利用申し込みもお断りする場合があります。」ともあります。
ライフカードの解説ページにも「カード会社がどのような点を審査しているのか、具体的な審査内容や審査基準が開示されることはありません。」と書かれています。
つまり「独自の審査基準がある」と「基準の中身は公開していない」は、同じ会社の公式ページに並んで書かれています。基準が独自であることと、通過しやすいかどうかは、公式の記載からは結び付きません。
「独自審査」という言葉が指しているもの
公式の記載を並べると、この言葉が2つの別々の内容を指していることがわかります。ひとつはカードごとに基準が違うという事実、もうひとつは基準の中身が公開されていないという事実です。
ライフカードの解説ページには、審査で重視されるものとして「信用情報」と「本人の属性」が挙げられています。そのうえで「それに加えて各カード会社が独自のチェック項目を設けています」と続きます。共通して見られる項目に、カードごとの項目が加わる形です。
アメリカン・エキスプレスも、発行会社の解説として「クレジットカード会社やローン会社はそれぞれの会社ごとに独自の審査基準を有しています。」と書いています。これは業界の一般論として書かれたもので、特定のカードが通りやすいという説明ではありません。
つまり「独自の審査基準」は、どのカード会社にも当てはまる性質を指した言葉です。通過しやすさを表す言葉として公式に使われている例は確認できていません。
審査の主体と、公開されている情報の範囲
審査を行うのはカード会社です。日本クレジット協会は、クレジットを利用するためにはクレジット会社の審査を経なければならないと書いています。2者間契約では販売会社が審査を行います。
公開されているのは、審査の流れと、審査で使われる情報の種類です。
信用情報の使い道にも範囲があります。日本クレジット協会によれば、信用情報の利用はクレジットやローンの審査の参考としての目的に限定されています。申込書や契約書にも、信用情報が登録され会員であるクレジット会社の審査に利用されるという記載があります。
CICは、加盟会員に対して申込書・契約書とは別に同意条項を記載した書面等を提示・交付することを義務づけています。加盟会員は、法令で定める場合を除き、同意を得た信用情報をCICに全件登録するものとされています。
この「全件」は、対象となる契約を選ばずに登録するという意味です。ひとつの契約について項目がすべて埋まるという意味ではありません。CICは、法律の定めがある場合や、契約の形態と支払いの状況によって登録される項目が異なるため、必ずすべての項目が登録されるわけではないとしています。
「審査なし」で発行されるクレジットカードはない

ライフカードの解説ページには「審査のないクレジットカードは存在しません。」と明記されています。
続けて「クレジットカードを発行する際は、必ずカード会社による入会審査が行われます。」とあります。
制度の側を見ても、審査を省く仕組みは用意されていません。もっとも、与信の確認方法は1通りではなく、法令上いくつかの型が並んでいます。
支払可能見込額の調査には例外措置がある
2008年6月に改正された割賦販売法は、加盟店の悪質な勧誘行為や過剰与信を防ぐためにクレジット規制を強化し、2010年12月17日に完全施行されました。
この法律は、消費者の支払能力を超えるクレジット契約の締結を禁止するため、クレジット業者に「支払可能見込額の調査」を求めました。経済産業省の資料によれば、包括支払可能見込額は年収(+預貯金)からクレジット債務と生活維持費を差し引いて算定します。利用限度額はその90/100以下で、調査にあたって指定信用情報機関が保有する信用情報を使用することも義務づけられました。
ここで押さえたいのは、この調査に例外措置が置かれている点です。経済産業省の資料は「消費者の保護に支障を生ずることがない場合には、過剰与信防止義務は適用されない」として、該当するケースを列挙しています。
クレジットカードに関係するのは次の6つです。
- 少額限度額にあたる場合は、極度額30万円以下のカードなら、過剰な債務や延滞等がないことを指定信用情報機関の情報で確認すれば発行できる(登録少額包括信用購入あっせん業者は除く)
- 一時増額にあたる場合は、海外旅行や引越費用、冠婚葬祭などの目的で一定期間だけ極度額を増やすときに、目的と使用場所を確認することで調査を行わずに増額を認める
- 緊急的支出にあたる場合は、利用者または生計を一にする人の生命・身体を保護するため緊急に必要とされる商品や役務が対象になる
- カードの更新のうち、自社カードの残高が5万円未満のものは、更新時の支払可能見込額調査を行わずに発行できる
- 付随カードの交付や増額は、親カードの極度額の範囲内で利用されるため、付随カード単独での調査は不要
- 紛失等による再交付は、有効期間内に同じクレジット業者から交付される場合に限り、調査は不要
もうひとつ、調査の方法そのものを差し替える制度もあります。令和2年の改正で新設された認定包括信用購入あつせん業者は、包括支払可能見込額に代えて、各社が構築した与信審査手法で「利用者支払可能見込額」を算定できます。経済産業省のFAQは、この認定を「当該調査以外の与信審査手法を用いることができるという特例」と説明しています。
認定の取得は任意です。同じFAQには、認定を取得しない場合は包括支払可能見込額調査、取得した場合は認定に係る手法で与信審査を行うと書かれています。極度額10万円以下の範囲で発行する登録少額包括信用購入あつせん業者にも、同じ性質の制度があります。
つまり与信の確認方法は一律ではありません。大きく分けると、通常の算定を行う型、少額限度額として指定信用情報機関の情報で簡易に確認する型、認定を受けて別の手法を使う型があります。ここまで見たとおり、通常の型のなかにも例外措置がいくつか置かれています。
それでも「審査なし」にはなりません。少額限度額の特例は過剰な債務や延滞等の確認を前提としており、認定制度でも指定信用情報機関の信用情報を使用する義務と提供する義務は維持されると経済産業省の資料に書かれています。基準が独自であることは、信用情報を参照しない根拠になりません。
指定信用情報機関そのものも法律に基づく仕組みです。CICは2010年3月11日、貸金業法に基づく指定信用情報機関として内閣総理大臣から指定を受けました。2010年7月20日には、割賦販売法に基づく指定信用情報機関として経済産業大臣からも指定されています。
審査の手順は5つの段階に分かれる

一般社団法人日本クレジット協会は、クレジット会社の審査の流れを公開しています。クレジットの代金は後払いのため、審査は消費者の支払いをする能力を見極めるために行われます。
クレジットカードでは「カードの有効期間内に適切にカードを利用できるかどうか」を視点に審査が行われます。手順は概ね次の順です。
- 書類審査。申込書に記入した氏名、住所、勤務先等をチェックする
- 申込者への確認。本人確認、申込意思の確認、在籍確認を行う
- 自社における申込者との過去の取引状況をチェックする
- 信用情報機関を利用して、自社以外のクレジットの利用状況をチェックする
- 審査の可否を決定する
2番目には本人確認と在籍確認も含まれる形です。4番目が信用情報機関の利用にあたります。自社の取引状況を見る3番目と、他社を含めて見る4番目が分かれている点が、この手順から読み取れます。
この手順は業界団体が示す一般的な流れです。ライフカードは、共通して見られる項目に加えて各カード会社が独自のチェック項目を設けていると書いており、その独自部分の中身は公開されていません。
審査は入会時だけではありません。ライフカードは更新時にも審査があると案内しており、CICの利用記録という区分にも契約後の照会が記録されます。
本人の属性として挙げられている項目
ライフカードが本人の属性として挙げているのは6項目です。職業と勤務先、雇用形態、勤続年数、年収、住居の状況、家族構成が並んでいます。
これらは申込書に記入する内容と重なります。日本クレジット協会が公開している手順の1段階目でも、申込書に記入した氏名、住所、勤務先等がチェックされるとされています。
ライフカードは、これらの項目に加えて各カード会社が独自のチェック項目を設けていると書いています。共通部分と独自部分が分かれる形です。
独自部分の中身は公開されていません。同じページに、具体的な審査内容や審査基準が開示されることはないと書かれています。
更新のときにも審査がある
CICのクレジット情報には、報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴が含まれます。契約期間中も情報が更新される仕組みです。
利用記録という区分もあります。これは利用途上における支払能力を調査するなどのため、加盟会員が照会した事実を表す記録で、保有期間は利用日より6ヶ月間です。契約したあとにも照会が行われることがこの区分から読み取れます。
審査の可否は公表されていない
どのくらいの割合で審査が通るかという数字は、カード会社の公式ページに出ていません。申込資格や審査の時期、審査で使われる情報の種類までは公開されていますが、可否の見込みにあたる数字は出ていません。
PayPayカードは「審査の結果によっては、ご利用いただけない場合があります。」と書いています。申込条件を満たしていても発行されない場合があるという書き方です。
ライフカードの書き方も同じ性質です。審査で重視されるものについて「信用情報」「本人の属性」の2つが重視されるといわれている、と述べており、断定の形をとっていません。審査の内容が開示されていないという同じページの記載と対応しており、カード会社自身も審査の中身を断定的には説明していないことがわかります。
信用情報に登録されないもの

登録される項目には範囲があります。CICは、信用情報には人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は一切含まれないとしています。
日本クレジット協会も、信用情報機関に登録されているのは契約に関する客観的な事実で、思想や信条、趣味などは含まれていないと書いています。
登録されるのは、本人を識別するための情報、申込内容に関する事実、契約内容、返済状況、取引事実です。どの項目が実際に埋まるかは、前に見たとおり契約の形態と支払いの状況で変わります。
登録期間が過ぎた情報は自動的に抹消されます。全国銀行個人信用情報センターも、各情報は登録期間の経過後に自動的に削除されるとしています。
信用情報機関が置かれている理由
信用情報機関の役割は、貸しすぎを防ぐことにあります。CICは、割賦販売法の指定信用情報機関として過剰与信防止のための役割を担っていると書いています。
全国銀行個人信用情報センターは、会員がセンターを利用することにより、消費者等への過剰貸付の防止や審査事務の迅速化を図っているとしています。同センターは一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する個人信用情報機関です。
信用情報機関に残る項目と、その期間
信用情報を扱う機関は3つあります。CIC、株式会社日本信用情報機構、そして一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する全国銀行個人信用情報センターです。
登録される項目の範囲は前の章で扱いました。ここで見るのは、記録が残る期間と、機関ごとの区分の立て方の違いです。
3つの機関は加盟する会社の業態が違う
CICは割賦販売法と貸金業法の両方に基づく指定信用情報機関です。
全国銀行個人信用情報センターは、一般社団法人全国銀行協会が設置・運営する個人信用情報機関で、ローン等に関する個人信用情報を登録しています。会員における与信取引上の判断のための参考資料として、この情報が提供されます。
株式会社日本信用情報機構は、契約日が2019年10月1日より前か後かで登録期間の起算点を分けています。同じ機関でも、契約した時期によって数え方が変わります。
どの機関に加盟しているかはカード会社によって違います。1つの機関だけを見て、登録状況の全体を判断することはできません。
登録される情報の内訳も機関で違います。全国銀行個人信用情報センターには、本人からの申告を登録する区分と、官報に公告された破産・民事再生手続開始決定を登録する区分があります。
CICの加盟会員から登録される情報は、申込情報、クレジット情報、利用記録の3区分です。支払状況はクレジット情報の内訳にあたります。株式会社日本信用情報機構は、契約内容、返済状況、取引事実、申込みの4区分です。
CICの加盟会員から登録される情報
| 情報の種類 | 内容 | 保有期間 |
|---|---|---|
| 申込情報 | 照会日、商品名、契約予定額、支払予定回数、照会会社名等 | 照会日より6ヶ月間 |
| クレジット情報(契約内容) | 契約日、契約の種類、商品名、支払回数、契約額(極度額)、契約終了予定日、登録会社名等 | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
| クレジット情報(支払状況) | 報告日、残債額、請求額、入金額、入金履歴、異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日、終了状況等 | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
| 利用記録 | 利用途上における支払能力の調査などのため、加盟会員が照会した事実 | 利用日より6ヶ月間 |
ここに挙げた保有期間を過ぎた情報は、自動的に抹消されます。
株式会社日本信用情報機構に登録される情報
こちらは契約日によって登録期間が分かれます。2019年10月1日を境に扱いが変わります。
| 情報の種類 | 契約日2019年9月30日以前 | 契約日2019年10月1日以降 |
|---|---|---|
| 契約内容に関する情報 | 契約継続中および完済日から5年を超えない期間 | 契約継続中および契約終了後5年以内 |
| 返済状況に関する情報 | 契約継続中および完済日から5年を超えない期間。延滞情報は延滞継続中、延滞解消の事実は当該事実の発生日から1年を超えない期間 | 契約継続中および契約終了後5年以内 |
| 取引事実に関する情報(債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等) | 当該事実の発生日から5年を超えない期間。債権譲渡は1年を超えない期間 | 契約継続中および契約終了後5年以内。債権譲渡は1年以内 |
| 申込みに関する情報 | 照会日から6か月以内 | |
全国銀行個人信用情報センターに登録される情報
ここは他の2機関と条件がはっきり違います。照会記録の期間が本人開示と会員への提供で分かれ、官報情報の期間も7年です。
| 登録情報 | 登録期間 |
|---|---|
| ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴 | 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間 |
| 照会記録情報(会員がセンターを利用した日、申込み・契約の内容等) | 当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間 |
| 官報に公告された破産・民事再生手続開始決定 | 当該決定日から7年を超えない期間 |
| 本人からの申告内容(本人確認資料の紛失・盗難、同姓同名別人の情報等) | 登録日から5年を超えない期間 |
| 自らを自粛対象者とする旨の本人からの申告内容 | 申告日から5年を超えない期間 |
3機関で条件が違う

「事故情報は完済から5年」といった一律の説明は、3機関のどれにも正確には当てはまりません。申込情報はCICと日本信用情報機構が6か月ですが、全国銀行個人信用情報センターの照会記録は本人開示が1年、会員への提供が6か月と分かれます。
官報情報の期間も違います。全国銀行個人信用情報センターは破産・民事再生手続開始決定を決定日から7年を超えない期間としています。
日本信用情報機構は契約日が2019年9月30日以前か10月1日以降かで起算点が変わります。古い契約と新しい契約が混在している場合、同じ機関でも期間の数え方が分かれます。
信用情報は自分で確認できる
登録されている内容は本人が確認できます。日本クレジット協会は、所定の手続をすれば自分の信用情報を確認でき、事実と異なる情報が登録されていれば訂正・削除を求めることができると案内しています。ただし登録されている本人に限られます。
全国銀行個人信用情報センターには、本人からの申告を登録する区分もあります。本人確認資料の紛失・盗難や、同姓同名の別人の情報が登録されており自分と間違えられるおそれがある旨の申告は、登録日から5年を超えない期間で登録されます。
自らを自粛対象者とする旨の申告という区分もあります。浪費の習癖や、ギャンブル等依存症により本人やその家族の生活に支障を生じさせるおそれがあることを理由とした申告です。登録期間は申告日から5年を超えない期間です。
センターの会員からの照会に対して、登録元会員名にあたる取引金融機関は回答されません。本人が開示した記録も会員には回答されない仕組みです。
申し込みの前に公式で確認できること
審査基準は非公開でも、申込資格は公式ページに書かれています。ここは申し込む前に読めます。
申込資格は公式に書かれている
PayPayカードの申し込み条件は、日本国内在住の満18歳以上の方、本人または配偶者に安定した継続収入がある方です。本人認証ができる携帯電話も必要とされています。
三井住友カード プラチナは、原則として満30歳以上で本人に安定継続収入のある方が申し込み対象です。カードによって年齢の下限が違います。
申込資格を満たすことと審査に通ることは別です。PayPayカードも「審査の結果によっては、ご利用いただけない場合があります。」と書いています。
読める条件と、読めない判断

前の項で見た2枚は、下限年齢が12歳分違います。カードごとに申し込みの条件が別に設定されていることが、公式の記載から確認できます。
読めるのはここまでです。項目ごとの重みづけや、自分が通るかどうかの見込みは、どの発行会社も示していません。この違いが、申込資格を読むときの前提になります。
短期間に何件も申し込むと記録が残る
CICの申込情報は、加盟会員が支払能力の調査のために照会した事実を表す記録です。含まれるのは照会日、商品名、契約予定額、支払予定回数、照会会社名等で、申し込みのたびに照会が行われれば、そのつど記録が残ります。
保有期間は照会日より6ヶ月間です。日本信用情報機構にも申込みに関する区分があり、こちらは照会日から6か月以内ですが、登録される項目の構成は同じではありません。
なお、この6か月はあくまで記録が保有される期間にあたります。カード会社が審査でどこまでさかのぼって参照するかを定めた数字ではありません。
申告内容を事実と違えて書かない
申込書に記入する氏名、住所、勤務先等は、審査の1段階目でチェックされます。日本クレジット協会が公開している手順の①にあたる部分です。
信用情報が信用情報機関に登録され、機関の会員であるクレジット会社の審査に利用されることは、申込書にも記載されています。自社の取引状況と他社の利用状況の両方が見られる仕組みです。
PayPayカードは、審査の結果で断った場合に再度の申し込みも断る場合があると書いています。断る場合があるという書き方であり、必ずそうなるとはされていません。
クレジットカードのほかにある決済手段
ここまでで「独自審査」についての答えは出ています。以下は、審査の内容が読めないなかで比較の対象になりやすい選択肢を、仕組みの違いから整理したものです。
クレジットカードには保証金を預ける型があり、クレジットカード以外の決済手段もあります。仕組みが違うため、できることも変わります。
デポジット型のクレジットカード
保証金を預けたうえで発行されるクレジットカードがあります。預けた金額が利用可能枠の基準になる仕組みです。
ここで押さえたいのは審査の扱いです。デポジット型カードの公式ページには、いずれも審査があると書かれています。保証金を預けることで審査がなくなるという案内は見当たりません。
デポジット型ライフカードの発行会社も、審査のないクレジットカードは存在しないと明記しています。保証金を預けることは、審査がなくなることを意味していません。
保証金は利用可能枠の裏付けにあたる

保証金を預ける仕組みは、利用可能枠の裏付けにあたります。カードの発行そのものが保証金と引き換えになるわけではありません。
デビットカード
デビットカードはクレジットカードではありません。条件は発行する銀行によって違うため、ここでは三菱UFJ銀行の公式ページにある比較表を例に見ます。
| 項目 | 三菱UFJ銀行のデビットカード | クレジットカード |
|---|---|---|
| 何歳から持てるか | 15歳(中学生を除く)から | 18歳から(クレジットカードにより異なる場合がある) |
| 入会審査 | なし | あり |
| 支払い回数 | 一回払い | 一回払い、分割払い、リボ払い、ボーナス払いなど(クレジットカードにより異なる場合がある) |
この商品の申し込み対象は普通預金口座を持つ個人と個人事業主で、屋号つき口座等の一部の口座では申し込めません。年齢は15歳以上で中学生は除かれ、日本国内に居住していることも条件です。年会費は無料とされています。
使ったらすぐに口座から引き落とされる仕組みで、毎月のショッピング利用金額の0.2%がキャッシュバックされます。後払いではないため、支払い回数は一回払いに限られます。この条件は2026年7月21日現在の公式ページの記載です。
家族カードは本会員の契約に付帯する
家族カードは、本会員の契約に付帯して発行されるカードです。年会費はカードによって分かれます。
1名無料で2人目から有料になるものがあります。JCBプラチナと三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードは、いずれも1名無料で2人目より1名につき3,300円(税込)です。
1枚ごとに年会費がかかるものもあります。UCプラチナカードは1枚あたり3,300円(税込)、セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードは3,300円(税込)です。三井住友カード プラチナの家族会員は無料です。
三井住友カードの家族カードの申込手順には、最短3営業日で審査・発行と書かれています。家族カードにも審査の工程があることが、この記載から読み取れます。
ETCパーソナルカード
有料道路の支払いだけが目的なら、ETCパーソナルカードという選択肢があります。クレジットカードを持っていない人でも、デポジットを預託することで発行を受けられます。
デポジットは保証金で、利用金額に対する債務を保証するためのものです。プリペイドカードのような前払金ではないため、通行料金の支払いには使えません。通行料金は申し込み時に指定した金融機関口座から引き落とされます。
有料道路を利用できる限度額はデポジット額までです。利用料金がデポジット額を超過すると、一時的に利用が停止されます。デポジットの増額を希望する場合は事務局への問い合わせが必要で、増額までには時間がかかる仕組みです。
年会費として1,257円(税込)がかかります。カードの発行費用とその他の運営費用を賄うためのものと説明されています。預託したデポジットは、解約時に所定の手続を経て返金されます。
このカードにも審査があります。利用規約の第4条は、提出された利用申込書等の内容を審査すると定めています。
審査では、カードを利用して通行する自動車の車種と台数、カードの利用目的、利用可能道路の利用見込み等について報告を求めることがあるとされています。記載内容や報告内容に疑義があるときは、申込みを拒絶することがあるという定めです。
拒絶の事由も列挙されています。未成年であること(利用申込時に16歳以上で親権者の同意がある者を除く)、住民基本台帳法の規定に基づく届出を行っていないことが挙げられています。
すでに会員の資格を有していること、申告したカード利用見込み金額が著しく高額であることも事由に含まれます。
申し込みは4段階です。利用申込書を作成し、本人確認書類等と一緒に事務局へ郵送します。事務局が内容を確認したうえで送るデポジット払込用紙で入金し、入金の確認後にカードが郵送されます。
5つの選択肢を条件で並べる
5つの選択肢は、入会審査の扱いと支払いの仕組みで分かれます。年会費が公式に確認できるものと、カードによって異なるものもあります。
| 選択肢 | 公式に確認できた年会費など | 入会審査 | 支払いの仕組み | 公式に確認できた条件 |
|---|---|---|---|---|
| クレジットカード | カードにより異なる | あり。審査のないクレジットカードは存在しないと発行会社が明記 | 後払い。一回払い、分割払い、リボ払いなど | 申込資格は公式ページに記載。審査基準は非公開 |
| デポジット型のクレジットカード | カードにより異なる | あり | 後払い。保証金を預ける | 保証金の額が利用可能枠の基準になる |
| デビットカード(三菱UFJ銀行の例) | 年会費無料 | なし | 使ったらすぐに口座から引き落とし | 普通預金口座を持つ個人・個人事業主、15歳以上(中学生を除く) |
| 家族カード | 1名無料で2人目3,300円、または1枚3,300円など | 三井住友カードの申込手順に審査・発行の記載あり | 本会員の契約に付帯 | 本会員の契約が前提 |
| ETCパーソナルカード | 年会費1,257円(税込)と、預託するデポジット | あり(利用規約第4条に申込内容を審査する定め) | デポジットを預託し、通行料金は口座から引き落とし | 限度額はデポジット額まで。有料道路の支払いに限られる |
デビットカードとクレジットカードは別のものです。デビットカードは後払いではないため、分割払いやリボ払いはできません。
ETCパーソナルカードは有料道路の支払いに使うもので、買い物には使えません。デポジットも前払金ではないため、通行料金の支払いには充てられません。
よくある質問
申込資格と審査の流れは公開されていますが、判断の重みづけはどの発行会社も公開していません。この境目に関わる7問です。
入会審査を行わないクレジットカードはありますか
A. 発行会社は「審査のないクレジットカードは存在しません。」「クレジットカードを発行する際は、必ずカード会社による入会審査が行われます。」と書いています。
制度の側から見ると、割賦販売法は原則として支払可能見込額の調査を求めています。その調査で指定信用情報機関の信用情報を利用することも求められます。
もっとも、経済産業省の資料には例外措置が並びます。極度額30万円以下のカードは、過剰な債務や延滞等がないことを指定信用情報機関の情報で確認すれば、支払可能見込額の算定を行わずに発行できます。認定を受けた事業者が別の与信審査手法を用いる制度もありますが、どの方式でも審査そのものがなくなるわけではありません。
基準が独自なら信用情報は参照されないのですか
A. 参照されないとは言えません。経済産業省の資料では、支払可能見込額の調査にあたって指定信用情報機関の信用情報を使用することが義務づけられています。認定を受けた事業者が別の与信審査手法を用いる場合も、この義務は維持されます。
極度額30万円以下の特例も、過剰な債務や延滞等がないことを同機関の情報で確認することが前提です。基準が独自であることは、信用情報を見ない根拠になりません。
審査の基準は公開されていますか
A. 公開されていません。発行会社は「具体的な審査内容や審査基準が開示されることはありません。」と書いています。
別の発行会社も「審査の内容については、開示しておりません」と案内しています。公開されているのは申込資格、審査の時期、審査で使われる情報の種類、そして業界団体が示す審査の流れまでです。
信用情報にはどのような項目が登録されますか
A. 中心になるのは契約に関する客観的な事実です。申込情報、契約内容、返済状況、取引事実などが登録されます。このほか、本人からの申告を登録する区分を設けている機関もあります。
人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は一切含まれません。思想や信条、趣味も含まれないと業界団体が案内しています。
申し込んだ記録は何か月残りますか
A. CICは照会日より6ヶ月間、株式会社日本信用情報機構は照会日から6か月以内です。全国銀行個人信用情報センターの照会記録情報は、当該利用日から本人開示の対象が1年を超えない期間、会員への提供が6か月を超えない期間と分かれます。機関によって数え方が違います。
デポジット型なら審査は行われませんか
A. 行われます。保証金を預けることと審査の有無は別の条件で、デポジット型カードを扱う発行会社自身が、入会審査は必ず行われると明記しています。保証金が担うのは利用可能枠の裏付けです。
デビットカードはクレジットカードの代わりになりますか
A. 用途によります。三菱UFJ銀行の比較表では、同行のデビットカードは入会審査がなく15歳(中学生を除く)から持てますが、支払い回数は一回払いだけです。年齢や支払い回数はクレジットカードにより異なる場合があるという注記も付いています。
クレジットカードは18歳からで入会審査があり、分割払いやリボ払いも選べます。後払いを前提にした支払い方が必要な場面では、代わりになりません。
まとめ
「独自審査」という言葉について、公式の記載から言えることは次の5つです。
- 公式ページに「独自の審査基準」とあるカードはある。年会費も申込対象も違うカードに同じ表現が使われている
- 「独自の審査基準」は、審査が通りやすいことを意味する表現として公式に使われているわけではない。年会費55,000円のプラチナカードにも同じ表現がある
- 審査のないクレジットカードは存在しない。発行会社が明記している。制度の側では支払可能見込額の調査が原則だが、極度額30万円以下の特例や、認定を受けた事業者が使う別の与信審査手法もある。いずれの方式でも指定信用情報機関の情報が使われる
- 審査基準の中身は公開されていない。申込資格や審査の時期、審査で使われる情報の種類までは読めるが、項目ごとの重みづけと可否の見込みは読めない
- 信用情報機関は3つあり、登録期間の条件がそれぞれ違う。申込情報はCICと株式会社日本信用情報機構が6か月、全国銀行個人信用情報センターの照会記録は本人開示が1年で会員への提供が6か月。官報情報は同センターで7年
クレジットカードのなかには保証金を預けるデポジット型があり、本会員の契約に付帯する家族カードもあります。クレジットカード以外では、デビットカードと、有料道路の支払いに使うETCパーソナルカードがあります。
デポジット型は審査があり、デビットカードは後払いではありません。ETCパーソナルカードは買い物には使えません。仕組みが違うため、必要な場面から選ぶことになります。
年会費や還元率からカードを比べる場合は、クレジットカードおすすめ30枚を比較で年会費が無料になる条件と基本還元率を扱っています。

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