アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

吉川光夫選手

吉川光夫選手が開幕ローテーション入りを果たし、抜群の安定感でチームの勝利に貢献している。勝ち星、防御率はともにリーグトップだ(6月4日時点)。
「野手がしっかり守ってくれていますし、栗山英樹監督がずっと後押ししてくれていることが、理由だと思います」
吉川選手の魅力は150キロを超えるスピードボール。だが、コントロールに苦しみ、期待されながらも1軍ではなかなか結果を出せずにいた。07年のルーキーイヤーに4勝をあげたが、08年5月の6勝目を最後に白星から遠ざかっていた。
今シーズン、ダルビッシュ有選手が抜け、北海道日本ハムファイターズにとって、先発陣の強化が急務だった。
「今年ダメだったら、オレがユニホームを脱がす」と栗山監督は吉川選手の奮起に期待した。
「監督から『どんなに走者を出してもいいから、思いっきり腕を振って、自分のボールを投げてくれ』と言われ、吹っ切れました。今年、活躍できなかったら、野球をやめようという覚悟でシーズンに臨んでいます」
小学5年生のとき、両親に勧められて地元の少年野球団に入団。高校は野球の名門・広陵高校(広島県)に進学したが、甲子園の夢はかなわなかった。しかし、5月16日の阪神タイガース戦で憧れのマウンドを踏んだ。
「試合に入ったら、そこまで考える余裕はありませんでした。阪神は金本さんら広陵の先輩が多いので、真っ向勝負でいこうと考えていました」
休日は買い物に行くことが多い。先日は斎藤佑樹、森内壽春の両選手と千歳アウトレットモール・レラに行ったという。
「僕は子どものためにレゴを買いました。誰も変装もしていなかったのに、周りに気づかれず、全然騒がれませんでした(苦笑)」
今シーズンの目標はただ1つ。監督の胴上げだ。
「どれだけゲームを壊さずに、長いイニングを投げていくかを考えて毎回、マウンドに上がっています。チャンスをもらっているので、全力で突っ走るだけです。今後の野球人生を左右する大事なシーズンだと思っています。まだまだ満足はしていません」
さらなる高みを目指す左腕の投球に注目だ。
(竹内)

◎最近の楽しみは何ですか 「2歳と10カ月になる2人の子どもの成長です」
◎好きな食べ物は 「カニとジンギスカンです」
◎仲のいい選手は 「先日、武田勝選手と斎藤佑樹選手と焼き肉に行きました」

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(よしかわ・みつお)1988年4月6日、福岡県福岡市生まれ。O型。身長177センチ、体重75キロ、左投げ左打ち。広陵高校卒業。06年高校生ドラフト1巡目で北海道日本ハムファイターズ入団。昨シーズン、イースタンリーグで投手3冠(勝利数、勝率、防御率)に輝く。今シーズン、開幕から先発を任され、4月9日の千葉ロッテ戦で1438日ぶりに1軍での白星を手にした。背番号34