アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】吉田侑樹氏

アカデミーで指導した子供たちがプロになることを夢見て

アカデミーの地方巡りで道内を満喫

 斉藤 シーズンオフはファイターズOBとの対談企画になります。今回は2020年シーズン限りで引退し、21年からファイターズのベースボールアカデミーのコーチに転身した吉田侑樹さんにお話を聞きました。“コーチ業”はいかがですか?

 吉田 やりがいを感じています。入った期も、年齢も、コーチの中では一番後輩になります。

 当初は野球のことだけでいいのかなと思っていたんですけど、今は挨拶や礼儀などを意識して教えるようにしています。

 現役を続けられる時間は限られていますからね。人間として、大切なものも学んでもらえたらと思っています。

 小学生たちに教えていて感じるのが、自分の時代と比べて、野球のレベルが高いですね。驚きました。

 斉藤 アカデミーのコーチ就任で、初めて札幌で生活しているようですね。

 吉田 一軍にいたときは札幌でも寮暮らしだったので、本格的には初めてのことでした。一昨年までは、北海道は涼しいという印象を持っていました。

 でも、昨年生活してみて、夏はめちゃくちゃ暑くて。鎌ケ谷とあまり変わらなかったですね(笑)

 冬になってからは、寒さは大丈夫なんですけど、雪道が少し怖いですね。仕事でも車を運転するので。

 斉藤 アカデミーのコーチとして、地方にはどこに行きました?

 吉田 遠い所だと、アカデミーの車で、函館、斜里、釧路などに行きました。現役時代は、地方に行く機会があまりありませんでした。ファームの試合であったり、シーズンオフのイベント参加くらいでしたからね。

 今は地方巡りで北海道を満喫しています。大自然は気持ちいいですね。

©財界さっぽろ

 斉藤 転身を決めてから、ご結婚されたようですね。

 吉田 昨年3月に入籍しました。現役の頃からお付き合いしていた方です。

 斉藤 “転身先”まで一緒についてきてくれるとは、すてきな方ですね。

 吉田 はい、ありがとうございます。どこでもついていくと言ってくれたんですよね。

 斉藤 現役引退を決断したとき、葛藤みたいなものはありましたか?

 吉田 20年シーズン終了後に戦力外通告を受けたのですが、当初はありました。ケガなどもなかったので、「まだやれる」という思いが強かったです。

 トライアウトを受けて以降、気持ちに変化がありました。どのチームからも声がかからなかったというのもありますが、「もういいかな」と、切り替えができました。引退を決断してからはすがすがしい気持ちでした。

©財界さっぽろ

 斉藤 プロでの一番の思い出は?

 吉田 やっぱり札幌ドームでの初勝利(17年)です。

 斉藤 ヒーローインタビューでの「ご両親、勝ちました!」は今でもファンの印象に残っています。

 吉田 そうなってくれているとうれしいです。今でもたまにファンの方から「ご両親」と声をかけていただくことがあります。

 斉藤 現役引退を決めたとき、ご両親の反応はどうでしたか?

 吉田 戦力外になった際に両親に連絡を入れました。そのとき、自分が登板する試合を見るのが、「結構、しんどかった」という話を聞きました。「ホッとした」「苦しむ姿を見なくてもすむようになるから安心した」とも言われました。

 連絡を入れたときは現役を続けたいという気持ちもありました。でも、両親の反応が自分の思っていたものと少し違っていたので、引退を決断する後押しになったと感じています。

(構成・竹内)

……この続きは本誌財界さっぽろ2022年2月号でお楽しみください。


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(よしだ・ゆうき)1994年2月16日、大阪府生まれ。B型。東海大学付属仰星高校、東海大卒。2015年のドラフト7位で北海道日本ハムファイターズ入団。17年には先発としてプロ初勝利をあげた。20年シーズンオフに球団から戦力外通告を受け、その後、現役を引退。21年3月から球団のベースボールアカデミーのコーチを務める。