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Interview

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「首都圏から道内リゾートへ“回遊”する仕掛けを」掲載号:2017年6月

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赤坂茂好 プリンスホテル社長

プリンスホテルは全社一丸となって国際会議や学会といった、いわゆる「MICE」の誘致に取り組んでいる。首都圏だけではなく、道内にもMICEを呼び込もうとする観光立国のトップランナーにその戦略を聞いた。

新幹線開業で東北と北関東の客増加

――ご自身と北海道のつながりは。

赤坂 私は栃木県日光出身です。昔は古河電工のアイスホッケーチームがありました。私自身、小学校から中学校までやっていました。そんなことで、アイスホッケーにはすごく親しみを持っています。

北海道からも王子製紙や日本製紙、岩倉組などのチームが日光に試合にこられていました。また、日光や軽井沢などのリゾートに勤務していたときは、プリンスホテルを利用する多くのアイスホッケー選手とお付き合いをさせていただきました。ですから、個人的には北海道というとアイスホッケーのイメージが強いですね。

――今回、大沼の北海道カントリークラブに新たなクラブハウスを建てられました。その狙いは。

赤坂 本州から北海道に来るゴルフ目的のお客さまの多くは、飛行機で移動し、新千歳空港から近い札幌圏のゴルフ場でプレーをなさっていました。

しかし、昨年3月の北海道新幹線開業以降、「函館大沼」にいままでなかなかお越しいただけていなかった東北や北関東、首都圏からのお客さまが、どんどん増えています。

2015年には函館大沼プリンスホテルを大改修しました。そのときに東北や北関東といった商圏にしっかりと営業をかけてきたということもあります。

そうした中で、道南エリアの集客をさらに強化するため、今回、新クラブハウスを建設しました。

新幹線はいずれ札幌まで延伸されます。そのときに通過点にならないよう、いまのうちからしっかりとした基礎をつくっていく必要があることも、道南エリアに力を入れている大きな理由です。

函館大沼はスポーツMICEに対応

――北海道のゴルフ場の魅力とは。

赤坂 広大さというか、見える景色が本州とはまったく違います。距離も北海道らしく長く、開いている。多くの本州のゴルファーは「1度は北海道でプレーしたい」という願望を持っていると思うんですよね。やはり、仙台や大宮から新幹線でこられるようになったことは、北海道に憧れているゴルファーにとって、大変喜ばしいことなのではないでしょうか。

――2つあるゴルフコースのうち、08年から休止中だった函館大沼プリンスゴルフコースを、今年6月から「北海道カントリークラブ プリンスコース」として再オープンします。どのようなリニューアルをおこないましたか。

赤坂 ホールレイアウトの変更により、難易度を軽減し、女性やビギナーにも優しいコースに生まれ変わりました。

また、増加する訪日外国人旅行者に対応するため、乗用ゴルフカーにはプリンスゴルフリゾート初となる多言語ナビゲーションサービスも導入します。

一方、伝統ある「大沼コース」は従来と変わらない難易度を誇っています。アスリート系のゴルファーにも十分満足していただけるコースです。

プリンスと大沼、個性の違う2つのコースがそろうことにより、さまざまな層のお客さまに楽しんでいただける良質なゴルフリゾートになりました。

いま、プリンスホテルは一丸となって国際会議などのいわゆるMICEの誘致に取り組んでいます。進化した函館大沼はゴルフ場とホテルが一体となり、「スポーツMICE」にも対応できる象徴的な施設とも言えるでしょう。

――どのような形でMICEを取り込んでいきますか。

赤坂 プリンスホテルグループは非常に多くの宴会場を備えています。それだけたくさんのMICEを取り込めます。

それを首都圏だけではなく、リゾートへと誘導していくかということが、いままさに課題でありまして、さまざまな取り組みを実施しているところです。

その中でも「リゾートMICE」の取り組みはその1つであります。函館大沼のような魅力的な自然環境の中でおこなわれるさまざまなビジネスイベントは、都内でやるものとはまた違った雰囲気を味わっていただけます。

道内のリゾートでは会議や学会などのイベント後にリラックスをするためのゴルフをしたり、冬であればスキーをしたりといった体験もできます。

お客さまに首都圏とリゾートを回遊していただくことも、MICEを強化する目的の一つです。

長期滞在にふさわしいプログラムを

――北海道ではこれからどのような事業を展開していきますか。

赤坂 富良野プリンスホテルは年間通してお客さまが来る優秀なリゾートホテルとなっています。スキー場の雪質は海外からの評判が高く、ラベンダーなどシーズンごとの魅力もたっぷりあります。これからさらに発展させていきたいと思っています。

札幌プリンスホテルは北海道の中心にあるわけですから、そこを起点に屈斜路や釧路、函館大沼へと、ここでもやはり回遊性を持たせることで、道内全体の底上げを図っていきたいと考えています。

そのために、MICEや一般のお客さまが自然の観光資源をゆっくり楽しめるようなプログラムづくりを進めようとしています。

滞在していただけるだけの価値を創造するわけです。例えば函館大沼だと、ナイトカヌーや星空ガイドなどをおこなっていますが、こうしたプログラムを体験しながら長期滞在していただく。そうなれば当然、ホテルにとってもいい形になりますし、地域の経済活性化にも効果が出てくると思います。

同時に、そうした仕掛けを外に発信していくことも大事なことです。ようやくスキーリゾートは海外にも知られてきており、お客さまも増えてきています。

グリーンシーズンでも同様に、満足していただけるプログラムを生み出しながら、豊かな魅力を発信していきたい。

国内のお客さま、そして自然を好む欧米系のお客さまなどに対し、われわれがつくり出した体験プランをしっかりとプロモーションし、長期滞在されるようなお客さまの取り込みをしていかなければならないと感じています。

――全国的な展開としては、昨年7月にグループ最高級の「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」が開業し、今年10月には「名古屋プリンスホテル スカイタワー」がオープンします。今後の経営戦略を教えてください。

赤坂 会社の基本的な考えとしては、既存の事業所の拡大ということは必要だと思っています。

海外にも拠点をつくり、誘客も積極的に図っています。今後も事業所を拡大していきながら、観光立国のトップランナーとして社会に貢献していきたいと考えています。

また、大きな発展のためには、地域や自治体との連携を深めなければなりません。一つの会社だけで一生懸命やっても、なかなか発信も周知もされないわけです。これからも自治体と一緒に取り組んで、地域とともに成長していくことを目指していきます。

=ききて/松田尚也=