今月の穴場
かつて、先住民アイヌたちからマシケイ(カモメの多い)あるいはウフイプ(燃えているもの)と呼ばれていた増毛町および雄冬地区。この海岸一帯は日本海に暑寒別連山の山裾が落ち込む断崖絶壁の連続で、昔からアブラコやソイ、ハチガラなど根魚類の宝庫として磯釣りファンを魅了してきた。特にハチガラは30センチを超えると大物とされ、狙ってもなかなか釣れないだけに釣り人ならば誰しも1度は手にしたい魚でもあった。
仲間2人と夜釣りに出かけたときのこと。増毛町別苅漁港に立ち寄ると、堤防の先で盛んにロッドを振っている釣り人がいる。バケツをのぞくといま釣り上げられたばかりのクロソイがいかにも「残ね〜ん!」といった顔つきで口をパクパクさせていた。ソイが釣れるとわかればもうしめたもの「今日はここでソイ釣りだぁ!」と2人。が、こちとらは、勝手を知った基部の岩場が気になってしょうがない。既に竿を出した2人を残し磯竿片手にローソク岩のあるゴロタ場へと向かう。一帯は海草に覆われた浅い根原だが、所どころにドン深があっていかにもハチガラでも出そうな場所。
ひゅるひゅるとウキが飛んで着水すると、糸フケを取る間もなくいきなりウキの明かりが沈んで横走りした。「ほりゃソイだぁ!」てなことで慎重にリールを巻く。だが、上がってきたのは早くも現れた本命の魚ハチガラだぁ。この夜はさらに4匹のハチガラ、ソイを追加してチョンとした。餌はサンマの短冊を使用。
寒さも和らいで、道央・日本海から春の人気者ホッケの便りが飛び交うようになってきた。釣り方は投げ、ウキ、ルアーとジャンルは問わないが、比較的釣りやすい魚であることから海釣りの対象魚としては最もポピュラーである。
この釣りの醍醐味は、なんといっても他の魚では見られない短時間での爆釣、大漁の3ケタ釣り。「そんなに釣ってどうすんの?」と純粋なリリース組から叱られそうだが、釣れ上がる度に30〜40センチの良型となれば、途中でやめようにもなかなか手が止まらない。
宮野〜太田の北桧山大成線(道道740号)には、岬を拾っただけでも湯ノ尻、稲穂、小歌、日昼、添泊、帆越と絶好の好釣り場が軒並み連続する。中でも小歌岬は、誰しも1度は入ってみたいと思う昔ながらの名釣り場。ソイ、アブラコのほか、ホッケの大物釣り場としてもその名が高い。
岬へは上浦(都)漁港を過ぎてすぐ、駐車禁止の標識が立つカーブ地点を下りる。先端までは柱状節理風のガツガツした岩場。岬の先は2つに分かれており、高く尖った最先端(右)よりも小高い棚状の左先端の方が竿も振りやすく、釣果の方も断然有利となる。魚種も春のホッケから始まってアブラコ、ソイ、カジカといったところ。いずれも足元からドン深なだけに大物の期待がもてる。ホッケのウキ釣りをするなら中間手前の左側。水没する岩礁棚の下がホッケの通り道になっているので数釣れる。時には40センチ超えの大型もしばしば。