家具・インテリアチェーン全国最大手。2002年に会社設立から30年で東証1部上場、03年には「100店売り上げ1000億円」を達成した。大学の寄付講座、植樹など、地域の活性化にも積極的な本道を代表する流通企業だ。
ニトリ
似鳥昭雄社長
(にとり・あきお)1944年樺太生まれ。北海学園大卒。67年に23歳で似鳥家具店を札幌に創業。72年会社設立。2002年東証1部上場。06年本社機能を東京に移転した。現在の店舗数は168店舗(07年度)。
――流通業界の現状は。
似鳥 業界全体では、既存店売り上げが連続マイナスとなり、大変厳しい状態です。伸びる会社と停滞する会社に二極化しています。
――厳しい環境の中、業績を伸ばしていますね。
似鳥 2002年に会社設立から30年で、東証1部に上場。03年には100店、売り上げ1000億円を達成しました。いまは第2期30年計画の最初の10年として、2012年までに海外も含め、400店3800億円という目標を掲げています。
日本国内は1000店まで出せる。大都市圏だけではなく人口10万人、20万人都市にも店を出していきます。2022年に1000店1兆円、2032年に3000店3兆円を目指しています。
――どのような学生を求めていますか。
似鳥 一貫して言い続けているのが、「ロマンとビジョンを共有できる人」。ロマンとは、世界中の人に欧米並みの住まいの豊かさを提供するという「志」。ビジョンは、それを実現するための「目標」のことです。
新入社員は入社1年後に必ずアメリカへ海外研修に行ってもらいますが、これは「ロマンを探す旅」なんです。8泊10日で、ロサンゼルス、ラスベガスなど、近郊のショッピングセンターを見てまわったり、買い物をしたりしながら、チェーンストアが人々の暮らしにいかに貢献しているかを実感してもらいます。その後も希望すれば3年ごとにアメリカに行ける。今年は社員、パートさんを合わせて約800人が参加予定です。
当社は1967年の創業から40年間、誰もが「無理だ」と思うようなことにチャレンジしてきました。
できないと思えることをあきらめるのではなく、どうしたらできるのかと前向きに考えられる人に仲間になってほしい。北海道や日本だけでなく、世界を豊かにする原動力になりたい、という気持ちを持った人と一緒に仕事がしたいですね。
――入社するとどんな仕事が待っていますか。
似鳥 新入社員のみなさんには、まず店長を目指して頑張ってもらいます。大体、入社8年目、29歳くらいで店長になる。求められる商品は何か、どれだけ売れるか、コストを下げるにはどうしたらいいか。商品知識、在庫管理、品質管理など、勉強することはたくさんあります。
――店長になるのは厳しいですか。
似鳥 実務もやって、試験にもパスしないといけないので、もしかすると大学以上に勉強しないといけないかもしれない。仕事内容についてはパンフレットや説明会などで詳しく話すので覚悟して入ってくる人が多いですが、スペシャリストになるには、地味な努力と長い年月が必要。楽しいことばかりではありません。
その代わり、厳しい指導についてきてくれた人には、社会に貢献できる技術を身につけることができる。社員には70歳、80歳までの計画を立てさせるんですが、それを会社や社長のため、というのではなくて、お客さんや自分のためにやってくださいと言うんです。死ぬまで自分のために努力する。やりがいや生きがいがあれば定年なんてないですね。
――自社の仕事はどんなところが魅力ですか。
似鳥 うちはひとつの会社の中にたくさんの職種がある。商品を自社工場でつくっているほか、仕様書を発注して300社につくらせている。商品を運ぶのも自社でやっている。全部で30くらい職種があって、われわれは「総合製造小売業」と呼んでいますが、商社に近いことをやっていますね。こういう“一気通貫”でやっている会社はそれほど多くありません。
流通業で売り上げをあげるというと、よく根性とか、気合とか、そういう話になりますが、うちでは「流通は科学」だと言っています。問題を発見し、因果関係を把握して、改善する。それを毎週やる。1年で52回“脱皮”することになります。
――海外での展開は。
似鳥 昨年、台湾に海外1号店を出しました。今後も中国、アメリカ、ヨーロッパなど、海外にどんどん店を出していく予定で、社員向けに英語や中国語などの外国語講座もやっています。
商品の7割は輸入品で、バイヤーは買い付けのため頻繁に渡航し、1年の半分以上を東南アジアなど海外で過ごします。今後はこうした海外での活動がますます多くなるでしょう。
――北海道のためにさまざまな社会貢献をしていますね。
似鳥 「北海道への恩返し」として、大学などへ寄付講座を行ったり、植樹をしています。植樹は20年間で100万本が目標。
この一環として、夕張市に桜とモミジ2万本を植えて観光名所にしようという取り組みを進めています。
また、06年に本社機能を東京に移しました。海外に買い付けなどに行くときに、札幌からではアクセスに問題があったんですが、移したのは機能だけで、本社は札幌のまま。税金は北海道に納められ、地域の活性化に役立てられています。
担当者に聞く
人材採用部 マネジャー|高橋義次さん
昨年は約4万人のウェブエントリーがあり、最終的に400人弱に絞られました。男女比は6:4で男子がやや多く、理系は15%ほどで年々増えています。
求める人物像を一言でいうと「3Cを持っている人」。(1)チェンジ(変化に対応できる人)(2)チャレンジ(前向きに困難に挑戦する人)(3)コンペティション(他と競争し自分を成長させる人)――です。いろんな場所で仕事がしてみたいという人と、ずっと北海道で働きたいという人がいますが、当社の場合は前者が好ましい。今後は海外にも積極的に進出していますから、世界中で活躍したいという人はぜひ応募して下さい。
また、できる学生とそうでない人の差が大きいというのが最近の傾向。中にはものづくりなどについてしっかり勉強している学生さんもいますが、一方で「CMを見た」「元気な会社だと聞いた」と志望動機があまり定まっていない学生も少なくない。
(ききて・安藤)