月刊「財界さっぽろ」

特集・参院選“身内の暗闘”【相関図付き】

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 6月22日公示、7月10日に投開票を予定する参議院議員選挙。定数3の北海道選挙区はすでに10人が名乗りをあげている。与党・自民党が現職の長谷川岳と新人で前衆院議員の船橋利実の2氏。立憲民主党は現職の徳永エリと新人で元衆院議員の石川知裕の2氏。共産党が元衆院議員の畠山和也氏、国民民主党は新人の臼木秀剛氏、このほかNHK党の斉藤忠行氏などだ。

左から長谷川岳、船橋利実、徳永エリ、石川知裕、臼木秀剛、畠山和也の各氏 ©財界さっぽろ

 道選挙区は定数是正で6年前から3議席に増加。それまでは自民と旧民主党が1議席ずつを分け合う“無風”区だったが「奇数区」になったことで、3議席目を与野党が激しく争う激戦区に変貌した。だが表向きは与野党対決でも、自民・立憲両党にとって戦う相手は“身内”となる。

 6年前の2016年参院選は、自民が長谷川氏と美唄市選出道議会議員(当時)の柿木克弘氏が出馬。野党は旧民進党が徳永氏に加え元衆院議員で大ベテランの鉢呂吉雄氏、共産党から森英士氏が出て5氏で激しく争った。その結果、長谷川岳・徳永エリの2人が安全圏にまず飛び込み、3議席目に鉢呂が滑り込んだ。柿木は約8000票差で涙を飲んだが、長谷川・柿木の票の合計は徳永・鉢呂の合計より上回っていた。

 3年後の19年参院選では、自民が高橋はるみ・岩本剛人の2氏を擁立。17年衆院選の結果、旧民進党勢力は立憲民主党と希望の党から改称した国民民主党に分裂し、立憲から勝部賢志、国民から原谷那美の2人が出馬した。

 この時は16年の反省を生かした自民が、世論調査などから高橋はるみに票が偏ることを見越して岩本に支援を全振り。一方の野党2党は支援組織が分かれた上、最大の支援団体である連合北海道も傘下労組が2党に分裂。2正面作戦を強いられたことから原谷の票が伸び悩み、高橋、勝部に続いて岩本が3議席目を制した。

 このように、奇数区とはかくも“身内の争い”、組織票の奪い合いが真骨頂となる。本特集では自民・立憲両党のその争いの現状を詳細な相関図を含め徹底解説している。なお本誌別項のカラーインタビューには、立憲代表で札幌市出身の泉健太氏が登場する。


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