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藤女子大学
取材日:2015年5月

写真大 札幌中心部に位置する「北16条キャンパス」

写真 喜田勲学長 写真 自然豊かな環境で学べる「花川キャンパス」

学生の知的好奇心を刺激。高みを目指す自主的な学びを

――導入教育・リメディアル教育に注力する大学が増えています。
 喜田 丁寧すぎる導入教育には疑問を持っています。導入教育に力を入れると、それだけ時間が取られ、大学が本来やるべき知的好奇心を満たすべき課題に時間が取れなくなります。
 藤ではこのレベルで教育しますというメッセージを学生たちに伝え、知的好奇心をかき立てられるような課題を提供する。人間は知りたいから、いろいろなデータを集めてきます。そのデータの中に、導入教育の内容も含まれてくる。学生が高みを目指す主体的な学びこそ大切だと考えています。
 ――何にも興味がない学生が多いと言われています。
 喜田 ゆとり、さとり世代などと言われますが、いつの時代も人間の命、その力は限りなく伸びて、開花する豊かな命です。なぜという疑問は幼少期から湧いてくる無限の欲求であり、世代を問わず誰もが持っているものです。大学のゆったりとした雰囲気の中で、個々の学生がそれぞれの疑問を追求し、理解し、判断する力を身につけていく。先生方は刺激になるようなデータを講義や教材の中に入れ、解決するための方向性を示すだけで良いと思います。
 ――改修した講堂棟にラーニングコモンズを開設しました。
 喜田 ラーニングコモンズは、学生の自立的学習の場となるアクティブラーニングのための設備です。図書館には膨大な蔵書もあります。設備を活用して知的好奇心を存分に満たしてほしい。
 ――大学生活は人間形成にも大きな影響を与えます。
 喜田 大学生活で得られるものはカリキュラムからだけではありません。むしろ仲間同士で切磋琢磨することで命の中にある人間的な良さが成長していく。学生の心にはさまざまな葛藤があると思います。葛藤してください、苦しんでください、そこで人間的な味を出してください、と伝えたい。
 日常生活の中にはさまざまな課題があります。苦しくとも正面から接して乗り越えていくところに喜びがある。負の面をしっかり受け止めて、ともに解決していく。例えば、入学直後は嫌い合っていた学生同士が卒業する時には親友になっている。これは心の中での葛藤を乗り越え、他者を受け入れる心の豊かさが育まれたということでしょう。人間形成における大切なプロセスだと思います。
 ――ボランティアなどの課外活動も大事になりますね。
 喜田 典型的なものでは東日本大震災の復興支援ボランティアです。今でも夏休みなどに毎年約30人の学生が被災地を訪れ、その地域の人たちとのつながりを持っています。
 ――今の世代は教養が足りないという指摘もありますが、教養教育は伝統的に得意分野ですね。
 喜田 従来の教養科目は各学部の基礎学問という位置づけでしたが、2年前に藤らしい教養科目を再構築するためのプロジェクトチームを立ちあげ、今年度から大学共通の教養科目を設置しました。キリスト教科目や自分のアイデンティティーにもつながる藤のルーツを知る科目も開講します。2016年度に向けてさらに藤らしい教養科目を充実させます。
 また、学生にはグローバルな視野で、北海道や札幌のローカルな問題を解決できる能力を身につけさせたい。そのために語学力を磨いてほしい。
 ――藤学園創立90周年です。
 喜田 創立者であるヴェンセスラウス・キノルド司教の「北海道の未来は女子教育にある」との意思を受け継ぎ90年がたちました。女子しかいないからこそ異性の目を気にせずに、自分の姿を正直に出して衝突し、和解し合って女性としてのアイデンティティーがつくれます。男女共同参画時代の中で、男性に負けず女性らしい藤の花の幹のような、しなやかな女性になってほしいですね。

基本データ

企業名:
藤女子大学
住所:
札幌市北区北16条西2丁目
TEL:
011・736・0311
教育:大学