「情報を先取り、タブーに挑戦」を編集方針とし、生活者・企業経営者に
最新かつ有益な情報価値をご提供する、北海道の地域政治・経済誌

ロゴ

トップページ >   情報INDEX > 札幌大学・札幌大学女子短期大学部

報INDEX

このエントリーをはてなブックマークに追加

札幌大学・札幌大学女子短期大学部
取材日:2017年5月

写真大 鈴木淳一学長 (すずき・じゅんいち)1975年北海道大学文学部ロシア文学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科露語露文学専攻博士課程単位取得満期退学。札幌大学外国語学部長、同大大学院外国語学研究科長、副学長、理事などを歴任。17年より現職

写真 ともに考えを深め合うのは今も昔も変わらない札大の伝統

リベラルアーツ教育により「考える人」を育成

 ――新学長としてどのような舵取りをしていきますか。
 鈴木 昨年、中期計画となる改革ロードマップを策定しました。若手が中心となり、本学の未来を描いたものです。環境の変化に対応しながら、この計画を確実に実行していきたいと考えています。
 ――貴学の特色は。
 鈴木 リベラルアーツ教育、つまり教養教育です。社会に各分野の専門家はたくさんいますが、そうした専門家の異なる意見をとりまとめ、方向性を打ち出せるリーダーは不足しています。
 本学では幅広い教養と視点を持ち、物事に対して大局的に考えられる人材を育成していきます。さまざまな意見が出た時にそれぞれの長所を生かしながら、差異の埋め方を提示して実行できる人材です。ハーバード大学などのアイビーリーグも、もともとはリーダーをつくるために発足しています。
 例えば経済を専門にするにしてもいきなり深く掘り下げるのではなく、まずは経済学がなぜ必要なのか、社会においてどのように役立つかを学んだほうがいい。その学びにより身に付けた観点を生かして社会で活躍するもよし、より専門的に学びたい学生は大学院に進み、深く学ぶのもいいでしょう。
 ――大学による教養教育は、専門学校にはない魅力と言えますね。
 鈴木 専門学校は即戦力を育成しており、意義のあることだと思います。ただ、例えば料理の学校に入って就職したものの自分の舌が料理人には向かないと気付いたとき、進むべき道を見失います。
 大学で真の教養を学び、自発的に考えられるようになれば、行き詰まったときに自分で考え、何をすべきか結論が出せます。
 ――学群制も大きな特色です。
 鈴木 入学時に専攻を決めずに、1年間さまざまなものを見て、専攻を決められるのが利点です。「本当に学びたいこと」の選択に悩む学生も少なくないので、1年たっても迷っている学生に対してはアドバイザーが助言をします。
 本学は学生の自主性を大事にしているので、そのバランスは難しくもありますが、学生と対話をして、本音を引き出しながら進むべき方向へ導く手助けをしています。
 ――アドバイザーとなる教職員の役割はとても大きいですね。
 鈴木 大学には常にフレッシュな学生が入ってきて日々成長します。その中で、教員も職員も学生と触れあいながらともに成長する集団であってほしいと思っています。互いに互いを照らし合いながら合わせ鏡のように成長していく大学であってほしい。
 ――学群制の認知度も向上してきましたね。
 鈴木 丁寧な説明の甲斐あって、高校の先生はもちろん生徒にもかなり理解されてきていると思います。卒業生から「毎日課題が出て大変だが、カリキュラムや設備が充実していて、成長できる大学」「学生が自然と学ぶ姿勢を身につけられる大学」と言ってもらえるようになり、そのことが受験生や保護者、高校の先生などに伝わればうれしいですね。  
 ――偏差値も上がってきました。
 鈴木 アクションプログラムやレイターマッチング、副専攻など、ユニークな学びの仕組みに多様な受験生が魅力を感じ、本学を志望してくれていることが大きいと思います。
 ただし、本当に重要なのは偏差値ではなく、大学の中身。大学の場合は卒業時の偏差値を測る機会がありません。就職先は1つの目安にはなりますが、そこを強調するのは大学の本質から外れると考えています。
 ――主専攻に加え副専攻をとる学生もいますね。
 鈴木 経済を専門にしながら法律の知識もあるというような人材は社会で活躍の場が広がります。副専攻を取るように奨励し、将来的にはダブルメジャーも模索していきたい。課外活動に打ち込んでいる学生は、スポーツや音楽などの活動を副専攻のようにとらえても良いかと思っています。
 ――女子短期大学部は。
 鈴木 社会人になることを意識しながら教養を身につけるキャリアデザインをさらに強化しています。また、4年制への接続もスムーズにしています。4年制志望でもいったん短期大学部に入り、2年経った時点で就職か4年制編入かを選択することもできます。
 大学の4年間で景気が大幅に変わることもあります。2年ごとに就職活動できれば就職活動に対するリスクヘッジになります。4年制と短大を併設している本学の大きなメリットと言えるでしょう。
 ――学費も抑えられます。
 鈴木 この経済状況では4年制に行かせたいが厳しいという家庭もあります。短大であれば学費は2年分。奨学金を借りたとしても早く社会に出て、早期に返済に取り組むこともできます。
 ――短大では資格を取りたい学生も多いですよね。
 鈴木 2019年4月設置を目指し、保育と幼稚園教諭という子育て支援系の資格課程準備を進めています。そのための基盤整備として2カ月に1回、子育てサロンを実施しています。地域の乳幼児をお持ちの方々との交流・サポートを通じ、学生が総合的に子育て支援を体験できるようになっています。本学には特別支援教育の専門家もいますので、悩みを抱える乳幼児保護者の方の支援もおこなえる体制が整っています。
 ――今年は開学50周年です。
 鈴木 50周年は節目ではありますが通過点に過ぎません。大学が未来永劫的に存在するには何が必要か。不易流行を見極めながら、常に社会に必要とされる存在であり続けなければなりません。

基本データ

企業名:
札幌大学・札幌大学女子短期大学部
住所:
札幌市豊平区西岡3条7丁目3番1号
TEL:
011・852・1181(代表)
URL:
http://www.sapporo-u.ac.jp
教育:大学