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札幌円山整形外科病院

阿部 恭久 診療部長
あべ・やすひさ/2003年札幌医科大学卒業。12年札幌医科大学大学院修了。17年に診療部長として札幌円山整形外科病院着任。22年より同病院理事。日本整形外科学会認定整形外科専門医。医学博士。

話しやすい温厚な人柄。患者のニーズに応えた治療を実践

どのエリアにも地域の中核病院がある。札幌市中央区・円山エリアの整形外科で言えば「札幌円山整形外科病院」だ。札幌医科大学出身の11人の整形外科医が、脊椎・脊髄、膝関節、股関節、手、スポーツ障害などそれぞれの専門分野を担当する。

阿部恭久診療部長の専門は、首や腰などの脊椎外科だ。

治療は投薬、リハビリ、ブロック注射などで痛みを緩和させる保存治療を優先。手術は最終手段というのが基本方針だが、決めるのは患者だという。
「患者さんのニーズに応えたい。最小限の治療、低侵襲な治療を求める患者さんがいる一方、手術で根本から直したいという患者さんもいます。ライフスタイルにも左右されますので、できるだけ多くの治療の選択肢を用意し、患者さんご自身に選んでもらっています」と阿部部長。

温厚な阿部部長にならば、治療についての疑問も聞きやすいはずだ。

高度医療も提供している。例えば、腰椎椎間板ヘルニアでは「ヘルコニア」という酵素を含む薬剤を注射する治療を行っている。

ヘルニアによる神経圧迫を弱める治療法で、一般的な保存治療と手術の中間に位置するもの。阿部部長のような脊椎外科の指導医がいなければできない治療で、同病院は道内でも一、二を争う実績。100人以上の患者に治療を行い、約8割の患者が半分以下の痛みになったという。

また、骨粗しょう症などが原因となる脊椎圧迫骨折に対しては、骨セメントを入れる「椎体形成術」も行う。

従来の治療はコルセットや鎮痛剤の投与、外科手術だが、この椎体形成術は背骨の両側にバルーンを入れて、つぶれている状態を矯正し、骨の中にできた空洞に骨セメントを注入する。骨の内側から骨折を治すことで痛みを緩和する低侵襲の手術だ。

腰部脊柱管狭窄症をはじめとする腰痛治療も得意分野だ。「8割の人が一生に一度は発症すると言われるように腰痛は国民病です。レントゲンだけでは腰痛の原因を究明できない場合もあり、MRIが有効です。道内各地から患者さんが訪れるため、できる限りその日のうちに診療から診断まで完結させたい。待ち時間はありますが可能な限り当日撮影しています」(阿部部長)

新病院も建設中。完成は2024年を予定
開放感のある受付・待合ロビー