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今井仮設工業

北陸新幹線糸魚川高架橋工事の足場工事

建設現場では欠かすことができない花形集団。技術継承にも尽力する

2030年の冬季五輪誘致や北海道新幹線延伸計画もあり、熱を帯びる札幌市内の再開発。中心部のいたるところで工事が進んでいる。そんな建設現場において、高所を華麗に動き回ることから 〝現場の華〟とも言われるのがとび職だ。命の危険がある場所へも真っ先に入るため「建設はとびに始まり、とびに終わる」とも言われ、建設現場には欠かすことのできない存在だ。

1984年創業の「今井仮設工業」も足場とびの1社。高層マンション、橋梁や発電所など建築や改修工事など、年間で100件以上もの現場を担い、その対応エリアは道内を中心に全国を網羅している。

なかでも代表的なのが、09年の北陸新幹線糸魚川高架橋工事(新潟県)だ。4年間にも及ぶ大規模工事で、同社は足場工事を担当。「路線に沿うように、日々移動しながら足場組立を行いました。当社で手掛けた工事の中でも大規模な工事です」と今井厚会長は当時を振り返る。

このほか、コンクリート工事も同社が足場工事とともに得意とする分野だ。大分県の大山ダムでは1年半にわたってコンクリート工事も担っている。コンクリート工事は形を保持することができない生コンクリートを流し込むため、一度打設を開始したら最後まで中断することができない。このため、事前の綿密な計画や施工管理の正確さが重要になる。

今井会長は「固まっていない状態のコンクリートは、振動を与えて気泡の脱泡を行い、強度を高めて練り固めることが必要です。この際に、コンクリートをなじませる〝感覚〟が最も大切になる。当社には経験豊富な技術者が多数在籍しており、24時間体制で最高の品質を追求し、施主からも満足をいただいています」と話す。長年の経験で培った技術力とチームワークは大手ゼネコンからも信頼を得ている。

今井会長は一般社団法人北海道鳶土木工業連合会の副会長や、北札鳶土木組合の組合長を務めており、技術継承にも尽力している。北海道神宮例祭などでは、伝統芸能である梯子乗りを披露するなど、地域貢献ととび職の繁栄にも貢献している。

掘削工事も得意とする工事の1つだ
今井厚会長
さまざまな自社車両を保有する
伝統芸能である梯子乗りを披露する