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逆風下のパチンコ業界で堂々の集客増 正栄プロジェクト 美山正広社長
取材日:2018年7月

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厳しさを増すパチンコ業界。道内大手のパチンコホールチェーン「イーグルグループ」を運営する正栄プロジェクト(本社・札幌市)の美山正広社長に現状と戦略を聞いた。

【遊技台の個別管理を徹底し出玉還元】

 ――カジノ法成立による影響は出てきますか。

 美山 これからではなく、すでに2年前から影響が出ています。政府はIR法推進のため、ギャンブル依存症対策を強化し、現状の遊技機の射幸性を抑制する目的で規制が強化されました。

 今年2月1日から施行された「風営法施行規則及び遊技機規則の改正」では、今後開発される遊技機の出玉性能が約3分の2に規制されます。旧基準の遊技機は、2020年までに段階的に撤去しなければならず、本来使える遊技台を自主的に撤去するため、コスト負担も大きい。

 ――客側から見れば大量出玉が期待できなくなる。

 美山 長時間遊技では今より出玉性能は劣ります。一方で短時間での出玉性能では、遊びやすくなり、数時間遊技の需要が増す可能性がある。この面には期待を寄せています。

 ――ギャンブル依存症対策も進んでいますね。

 美山 業界では、リカバリーサポートネットワークという電話相談窓口を設置しています。さらには自己申告プログラム、家族申告プログラムも導入。遊技機アドバイザリー制度も運用しています。

 ――ホール負担が大きい。

 美山 今年だけでも全国で360店、毎日2店舗閉店しているのが現状です。最盛期に1万8800軒あった全国のホールが、このままいけば年内に9000軒を切ります。過去最大の逆風下です。

 ――対応策は。

 美山 ユーザーが満足する新基準の遊技機はまだ出ていません。今できることは、認められる期間内まで現状の遊技台を稼働させること。こうした機種を大事に使っていく営業になります。言い換えれば、出玉の還元による薄利営業です。今は身を削ってでも、客数の確保を優先しています。

 ――効果は。

 美山 業界全体での客数減少が著しい中、当社の5月全店合計の客数比率は、前年対比で102%。6月105%、7月106%でした。効果的な出玉還元のために遊技台の個別台管理を徹底しています。これまで機種単位で管理していたものを過去のデータを見ながら1台ごとに精査し、分析して還元しています。この細かな仕事を継続して顧客の期待に応えていきたい。

 ――今後の課題は。  

 美山 最重要課題は人口減少、高齢化への対応です。このまま進めば、道内の人口は45年に25%減の400万人、65歳以上が42%を占め、85市町村では人口が半減すると推計されています。

 遊技業界でもファンの高齢化が進み、新しい若年層ファンの参加率も低下しています。この先の遊技人口減少は残念ながら避けられません。

 新しい若いファンをいかに増やすかが重要な経営課題となる中、14年に「クラブイーグル」という新業態を立ち上げました。ガールズカフェとスロット専門店を融合した、スタッフ全員が女性の店舗です。若年層の客層が大半を占め、狙い通りの集客に成功しました。

 今後は、高齢者に喜ばれる店舗づくりを推進していきます。

【道内ホール団体一本化に尽力】

 ――業界のまとめ役としても汗を流していますね。

 美山 北海道には札幌、旭川、函館、北見、釧路にホール団体である5つの方面遊技業組合があり、以前はこの5方面の理事長が連なる連合会組織がありました。しかし、これが解散してしまい各方面組合がバラバラの状態が続いていました。私が日遊協の北海道支部長に就いた際に、この再構築を目標に掲げました。 

 日遊協は社団法人であり、ホール、メーカー等が加盟する業界唯一の横断的組織です。警察庁と最もつながりが深い団体でもあります。

 今年に入り、ようやく北海道遊技産業連絡協議会として、5方面組合と日遊協が一堂に会する機会を再開することができました。業界が抱える課題解決に向けて各5方面の理事長が意見交換できる場です。

 今後はより警察庁、道警本部の要請に迅速に対応できるように、5方面組合一本化に向けて進めていきます。

【黒字転換したレバンガ北海道】

 ――株式の80%を保有するレバンガ北海道も地域に根付きましたね。

 美山 前期、前々期と単年黒字に転換しましたし、債務超過も解消されました。今後も黒字を続けられると思います。前期の1試合あたりの観客動員数はBリーグ中2位。ファンが前々期よりも大幅に増えていますし、チームもまた観たくなる試合をしてくれています。

 観客動員数は1試合あたりで前々期が約2500人、前期が約3800人、来期は4000人を目指します。前々期はBリーグ初年度でB1残留できたのが大きかった。また、前期は強豪ひしめく東地区で一時は3位と頑張り、年内を勝ち越して折り返しました。チャンピオンシップ進出という期待感がチケットの売れ行きにつながったと思います。

 前々期、前期と若手選手を積極的に起用しながら戦ってきましたが、これからはさらに強いチームにするために選手人件費を増額します。来期から1試合に出場できる外国人選手枠が2人になりますので、帰化選手を含め、外国人選手を補強していきます。折茂選手も来期中に前人未到の通算1万得点を達成するでしょう。

 まだ超えなければいけないハードルはありますが、近い将来、スポーツ球団初となる株式上場も実現させたい。  (ききて・八木沢)

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