お土産のみならず、ギフト・手土産も石屋製菓の商品を
2017年に創業70周年を迎えた石屋製菓。近年はインバウンド需要が拡大し、とくにアジア圏を中心に海外での知名度が高まっている。17年9月に沖縄・那覇空港の免税店での商品の取り扱いがスタートし、国際線のある道外空港をほぼ網羅した。今後は豪華客船市場にも注力していく。
看板商品「白い恋人」はもちろん、ホワイトチョコレートの甘さとハスカップシロップの酸味がマッチした「白い恋人ホワイトチョコレートプリン」も好評。「よつ葉乳業」と共同開発したオリジナルバターを使ったバウムクーヘン「なまらバターバウムTSUMUGI」も大人気だ。
17年4月には道外初となる直営店を「GINZA SIX」(東京)内にオープン。白い恋人はあえて扱わず、限定商品を並べた。さまざまな味のチョコレートをラング・ド・シャで挟んだ「Saqu LANGUE DE CHAT(サク ラング・ド・シャ)」は毎日完売するなど、反響が大きい。
同7月には北広島市に製造工場が完成した。生産量は既存の本社工場(宮の沢)よりも約1・5倍アップした。地域の子どもたちの社会科見学などにも対応する予定。
これにともない、本社工場併設の「白い恋人パーク」を19年6月をめどに改装する。売店の拡大、体験型施設・飲食を含めたカフェの充実、工場見学の工夫などに取り組む。
「見学コースを来訪者が楽しめるようにストーリー性のあるものにします。コンセプトは『チョコレートでドキドキ、ワクワクの世界へ』です」と石水創社長は笑顔を見せる。
18年はあらたにチョコレートブランドを立ち上げる。17年10月には「インターナショナルチョコレートアワード2017」の世界大会で、同社の出品作が道内企業では初となる「銀賞」を獲得した。
「いま一度、チョコレートという当社の〝足元〟を見直そうと考えました。商品は北海道の原料を使うことなどにこだわります。お土産菓子だけではなく、日常のギフト・手土産という需要拡大にも取り組んでいきたいです」と石水社長は力を込める。