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東京農業大学 生物産業学部
取材日:2018年5月

写真大 吉田 穂積学部長(よしだ・ほづみ) 大阪府東大阪市生まれ。1987年東北大学農学研究科博士課程修了。東京農業大学助手、講師などを歴任。94年同大学網走寒冷地農場栽培部主任、教育研究部主任を経て2018年4月に学部長に就任。日本植物病理学会所属。博士(農学)。

写真 植物生産科学研究室

地域に結びついた実学と 課題発見力を養う教育を実践

 ――今年、学部開設30年目を迎えました。
 吉田 私自身、1991年(平成3年)から本学の網走寒冷地農場で研究活動をしておりましたので、感慨深いものがあります。開設30年を迎えてキャンパス名を「北海道オホーツクキャンパス」としました。これは学びの場が「北海道」という大きなブランドのもとだという事実をより明確にして認知度を高めたいとの思いからです。4学科名もすべて地域性や研究対象に具体的に結びつくものとして「北方圏農学科」「海洋水産学科」「食香粧化学科」「自然資源経営学科」と改めました。キャンパス名とともに、どこで何を学ぶかがより明確に、わかりやすくなったと思っています。
 本学は古くから熱帯・亜熱帯地域の農業開拓に貢献の実績がありますが、当学部は北方圏に属する位置にありますので、世界の中・高緯度地域の農業・畜産の研究をおこない、北方圏地域との交流も深めていきたいと考えています。
 また、世界有数の漁場であるオホーツク海の資源を科学の面から研究し、地域の生態系や観光、環境マネジメントといった社会科学の面からもとらえていく学科の体制を整えました。
 ――早くも今年の志願者の反応が高かったようです。
 吉田 当学部は「大自然に学ぶ北海道入試」などで、今年も定員を充分に満たす入学者を迎えました。9割は道外地域出身ですが、当学部の環境や学科内容がよく理解された結果だと思っています。また、受験会場を居住地から2時間以内の場所に多数設けたことも多くの受験生を迎えたことにつながったと思っています。
 ――改めて貴学の使命をうかがいます。
 吉田 「人物を畑に還す」が大学全体の理念であり、古くから有為な実業人を社会に送り出してきました。今、都市部のキャンパスでは農業をはじめとする実学の場が少なくなっており、その意味ではこの北海道オホーツクキャンパスは農水産、自然環境を学ぶ現場に恵まれています。まさに創設者・榎本武揚に始まる農大のアイデンティティが発揮できる現場であるわけです。
 例えば私の専門である植物保護学の病理部門でも、この地域で世界的に大きな課題となっているジャガイモの〝そうか病〟に取り組み、改善・対策の研究結果を社会に発信していますし、サッポロビールさんとの包括連携協定のもとで網走産ビール麦やホップを使った限定ビールを販売しています。
 ――30年を経過して地域との結びつきがより強くなりました。
 吉田 そうです。地域の課題を地域の行政、企業、多くの人々と考え、解決していく道筋ができたと思います。そうした地域密着がこのキャンパスの使命、特徴でもあります。
 オホーツク地域は、豊かな自然に恵まれている一方で、人口減少に伴う市街地の衰退や後継者不足など、多くの課題があります。学生たちには学問や研究はもとより、地域の人々に接することによってさまざまな課題を見つける、いわば〝課題発見力〟を養ってもらいたいと考えています。これも実学の現場同様、都市部の大学では実践が難しくなっています。
 また、社会人向けの講座「オホーツクものづくり・ビジネス地域創成塾」に学んで地域資源の活用や起業に結び付いた例もあり、これも地域とともにある大学の重要な使命と認識しています。
 ――イベントへの参加、ボランティア活動も定着してきました。
 吉田 特に全国のランニング大会ランキングで3位、全国100撰にも選ばれているオホーツク網走マラソンの運営には本学の学生が欠かせない存在となりました。応援やボランティア活動を通じて多くの人とふれ合い、自身の人間力を磨く源となっています。今では地域の一員として積極的な参加
意識が高まっています。学内での交流とともに、地域内での交流が広がり、それぞれのネットワークが人間形成にも役立っています。
 ――就職の実績も高いですね。
 吉田 本学はキャリアサポート体制がしっかりしています。1人当たりの求人数は全国平均の3倍で、生徒1人に対して5件以上の求人があります。伝統的に食品会社などへの就職に強いのですが、ほかにも公務員をはじめ広い分野へ全国に人材を送り出しています。

基本データ

企業名:
東京農業大学 生物産業学部
住所:
網走市八坂196番地
TEL:
0152・48・3814(入試課)
URL:
http://www.bioindustry.nodai.ac.jp/
教育:大学