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時計台記念病院・女性総合診療センター
取材日:2018年7月

写真大 14の診療科を標榜する時計台記念病院

写真 藤井美穂副院長が女性総合診療センター長を兼務する 写真 女性総合診療センターの手術件数 写真 女性総合診療センターの総手術件数は年間484件(2017年)にのぼる

女性特有疾患専門の「女性総合診療センター」など12のセンターを開設

【先端を行く骨盤臓器脱(POP)治療】

 きわめて公共性の高い医療法人として、2008年に全国で初めて「社会医療法人」に認定されたカレスサッポロ(大城辰美理事長)。認定から10年目を迎えている。
 札幌市内に2つの病院と3つの診療所を展開するほか、介護老人保健施設や在宅医療福祉支援センターに加え、16年9月にはホスピス・認知症・重度介護にも対応するクリニック併設の「カレスプレミアムガーデン」(50室)も開設した。同施設は厚生労働省が進める「地域包括ケア」の拠点としての役割も担っており、加速する高齢社会にそなえ環境整備を着々と進めている。
 そのカレスサッポロの中核を担うのが「時計台記念病院」(本田耕一院長)だ。内科、循環器内科、形成外科、婦人科、消化器内科など14の診療科を標榜。各分野のエキスパートが舵取り役を担う形成外科・創傷治療センター、循環器センター、消化器センターなど12のセンターも展開している。
 その1つが、藤井美穂副院長がセンター長を務める「女性総合診療センター」だ。
 小児期・思春期から更年期・老年期まで、すべての年代に対する診療をおこなう希少な存在。一般婦人科健診および診察のほか、4本柱としているのが①「骨盤臓器脱(POP)治療」②「低侵襲手術」③「生殖医療外来」④「臨床教育の充実」だ。
 ①の骨盤臓器脱は、骨盤の中の子宮や膀胱、直腸などの臓器が膣の中に落ちてしまう高齢女性特有の病気。高齢社会において患者は急増しているが、対応医療機関が少ないのが現状だ。
 これに対し同院では、藤井副院長が07年にメッシュを用いて骨盤底を再建する最先端治療法「TVM手術」を道内で初導入。また10年には、腹腔鏡を用いて下がった臓器をつり上げる「腹腔鏡下仙骨膣固定術」(LSC)を全国で2番目に採用。さらにノンメッシュ法を加えた3つの術式を患者の症状や年齢、体力などに合わせて実施している。
 昨年、同センターで実施したPOP手術数は199件にのぼる。センター開設から12年。認知度も高まり、他の医療機関からの紹介など、道内各地から患者が頼って訪れる。
 藤井副院長は「女性の高齢化が進む中、筋力の低下を招くサルコペニア、高齢者の虚弱であるフレイルが大きな問題となってます。女性にとって骨盤臓器脱治療はがんなどと同じように社会的意義の大きな医療となっています」と語っている。
 ②の「低侵襲手術」は、年間(17年)484件の総手術件数中226件にのぼる。子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮内膜症などの良性腫瘍に対しては、日本産科婦人科内視鏡学会、日本内視鏡外科学会の技術認定医による腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術などを実施している。子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性腫瘍に対する腹腔下手術の実施に向け準備を進めている。

【先進検査、院内連携で重層的な不妊治療】

 ③の「生殖医療外来」は、一般不妊治療から体外受精、顕微授精、凍結胚移植、精子凍結保存といった高度生殖医療をおこなっている。
 子宮のさまざまな機能および病態の評価のため最新型のシネMRIを導入しているほか、流産や死産を繰り返す不育症や着床不全などには、CD138による子宮内膜炎診断や治療、胚移植の適切な時期を知るERA検査を実施。また「不育症・着床不全・生殖遺伝外来」も開催し遺伝子カウンセリング、電話相談など、重層的な診療もおこなっている。
 同院には、先進的な検査に加え、入院設備も整っているので、他科と連携し、他疾患との因果関係を調べることもできる。こうした総合的な不妊治療を提供できることも同センターの大きな特徴だ。
 藤井副院長は、思春期医療にも造詣が深く「ロキタンスキー症候群」や「ターナー症候群」など思春期の性分化異常の診断と手術にも精通する。将来の生殖能や女性ホルモン不足による合併症や低身長に対する治療が必要であり、循環器内科をはじめ他科とのチーム医療で早期発見と治療に全力で取り組んでいる。また、患者や家族の不安も大きく、精神的な支援も必須である。
 ④は「臨床教育の充実」だ。「思春期は小児科から婦人科への移行期です。当センターでは学校とも連携をとりながら、移行医療の受け皿としても機能している」と藤井副院長。
 学校、患者を持つ家族の会と連携し、小児・思春期から医療の介入が必要であることを強調。学校関係者への教育活動をおこなっており、第48回全国性教育研究大会でも講演している。
 女性総合診療センターは、毎年12月にエキスパートによる手術ライブを実施。また札幌医科大学サージカルトレーニングセンターで献体を使用した手術トレーニングセミナーを開催し全国から意欲のある医師が参加している。今年も12月7〜9日に「第6回時計台骨盤手術・解剖セミナー」が開催される。
 同法人では、女性特有の疾患を女性ドクターが専門的に診察する新施設を、20年に札幌市内に開設する計画だ。

●診療科目
内科、循環器内科、形成外科、眼科、婦人科、リハビリテーション科、消化器内科、外科、脳神経外科、緩和ケア内科、放射線科、麻酔科、血管外科、泌尿器科

●受付時間
月〜金 8:30〜12:00
     12:00〜16:30

土曜  8:30〜12:00

●休診日
土曜午後、日曜・祝日
(救急は24時間診察)

基本データ

企業名:
社会医療法人社団カレスサッポロ 時計台記念病院
住所:
札幌市中央区北1条東1丁目2‐3
TEL:
011・251・1221
URL:
http://www.tokeidaihosp.or.jp