「情報を先取り、タブーに挑戦」を編集方針とし、生活者・企業経営者に
最新かつ有益な情報価値をご提供する、北海道の地域政治・経済誌

ロゴ

トップページ >   情報INDEX > 千歳科学技術大学

報INDEX

このエントリーをはてなブックマークに追加

千歳科学技術大学
取材日:2018年5月

写真大 川瀬 正明学長(かわせ・まさあき)北海道大学工学部電気工学科卒業、同大大学院工学研究科学位(博士)取得。1972年日本電信電話公社入社。技術協力センター所長などを経て、99年千歳科学技術大学教授に就任。大学院光科学研究科長、総合光科学部学部長を経て、2010年4月学長に就任。07年紫綬褒章受章。

写真 豊かな自然に囲まれたキャンパスは、札幌ドーム5つ分の27万平方メートルと広大だ

公立大学法人としての開学を目指し、さらなる進化を続ける

 ――公立化が明確になりました。
 川瀬 千歳市が設置した公立化について検討する有識者会議の「是」とする報告を受け、昨年10月に山口幸太郎千歳市長から公立化推進の表明をいただきました。さらに3月には千歳市議会において公立化を検討する調査特別委員会から公立化を是とする報告があり、大きく前進しました。
 ――正式決定はいつ頃になるのですか。
 川瀬 最終決定にはまだいくつかの手続きが必要です。まず、公立大学法人を立ち上げるために、定款や中期目標計画などを決め、市議会の承認を経て北海道の認可を受けるという手順を踏んで年内には正式決定に至ると思います。その頃は受験生が来春の志望を絞る時期になるでしょうから、公立大学開学を明確にして新入生を迎えたいと考えています。
 ――2019年度の入試はどのように実施されますか。
 川瀬 認可を受け19年4月からの公立化を予定しており、3月までは現在の私立大学の体制のままですので、入学試験も従来通り推薦入試、体験型入試(AO)、一般学力入試、大学入試センター試験利用入試の入試区分で実施いたします。
 ――公立化によるメリットと貴学の使命は。
 川瀬 まず、国公立のブランドにふさわしい中身の充実と、加えて国からの経費補助により授業料が従来の年間約136万円から約54万円へと半額以下にできますので、入学者の経済的負担が大幅に軽減されることになります。18年度の入学者についても19年度から適用されます。
 それを見込んだ結果と思われますが、今年の志願者は1200人を超え過去最多となりました。入学者数も8年ぶりに定員割れを解消する278人となりました。今後の学生の確保・増加は地域の活性化にもつながると思っています。
 また、本学は公設民営の私大として「人知還流」「人格陶冶」の建学精神を掲げています。開学以来〝光科学〟を基礎とし、現在は道内初の理工学部のもとで教育・研究をおこない、社会と科学技術の架け橋となる人材を輩出してきました。公立化による安定運営のもと、今後も有能な人材を育成して社会に送り出す使命を果たしていきたいと思っています。
 ――公立化を踏まえて取り組む当面の課題は。
 川瀬 19年度、20年度でカリキュラムを大きく変えていこうと考えています。すでに文部科学省の大学教育再生加速プログラムの1つである「高大接続改革推進事業」に申請して採択されたテーマ「卒業時における質保証の取組の強化」を推進します。
 これによって共通教育から学科への移行を2年次後半からとし、一般情報や言語教育などリテラシーを高めてから専門科目を学ぶカリキュラムとします。情報に強い化学・生物研究者やエンジニアの育成・輩出という本学の使命の一端を果たすことにつなげたいと考えています。
 また、地域を題材とする「千歳学」といった科目を新設し、地域課題を学び、解決していく人材を育てます。さらに、キャリア教育も現在の選択制から必修とし、多角的なサポート体制とします。
 ――今春の卒業生の就職状況はいかがでしたか。
 川瀬 ここ数年、100%に近い実績を保ち続けています。理学と工学を横断的に学修するカリキュラムと職業意識を高め社会人基礎力を養う教育を並行して受けた本学の学生は、多彩なフィールドで活躍しています。
 ――教育体制の変更などの予定は。
 川瀬 今後は、経済的負担の軽減によって教養から専門、大学院まで6年間を通して学び、研究する学生も増えると予想し、カリキュラム改革のほかにも教員を10人増加するなどしてその対応体制も整えていきます。
 ――評価の高い地域貢献活動は公立化以降どのように。
 川瀬 従来の市民向け公開講座や小中学生の学習支援といった取り組みを拡充していきます。    
 また、ICT(情報通信技術)等本学が有する技術を活用して、市民の生活向上や地域産業の向上を図り、地域の知的・文化的拠点を目指す「スマートネイチャーシティちとせ」構想を推進します。教育・研究の発想は広く持ちますが、そのアウトプットを千歳の場をショーケースとして展開し、地域のブランド化を図ろうという内容で、公立大学として地域貢献の使命を果たす施策と考えています。
 ――公立化以降の長期展望は描かれていますか。
 川瀬 公立化に伴う運営の安定や学生増といったメリットは将来への大きなステップとなります。一方で、今後時代の変化がさらに激しくなるなかで、国際化の進展、自然・社会環境の変化に対応できる人材を育成していくには、常に新たな視点で改革を続けなければなりません。
 独自の教育・研究を進める一方で、他大学や企業との連携にも一層取り組み、地域の発展に貢献する公立大学としての成果を出していきたいと考えています。

基本データ

企業名:
千歳科学技術大学
住所:
千歳市美々758番地65
TEL:
0123・27・6011(入試課直通)
URL:
https://www.chitose.ac.jp/
教育:大学