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Interview

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“熱の伝播”で道内衆院選全区を制す!掲載号:2017年5月

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馬淵澄夫 民進党選挙対策委員長・衆議院議員

馬淵澄夫民進党衆院議員は、猪突猛進の行動力が持ち味だ。昨年9月、同党候補者にファイティングスピリッツを植え付けるべく、選挙対策委員長に就任した。馬淵氏に選挙の心得、そして道内衆院選挙区の現状を聞いた。

馬淵澄夫氏は1960年8月23日東京都生まれ。横浜国立大学工学部卒。民間企業を経て、2003年11月の衆院選に奈良1区から出馬、初当選。通算5期連続で小選挙区で当選している。

10年の菅直人内閣で国土交通大臣に就任。党の要職を歴任し、16年4月の衆院北海道5区補選では、地元にびっしり張り付き、池田真紀陣営の参謀役を担った。16年9月から民進党選挙対策委員長を務める。

◇    ◇

――16年9月21日、民進党の選挙対策委員長に就任されました。

馬淵 当時、年内に解散・総選挙があるかもしれないという情勢でした。そのため、まずは空白区での候補者擁立を進めました。

あわせて、道内12選挙区を含め、全国の情勢調査をおこないました。いわゆるボーダーと呼ばれる当選圏内選挙区の底上げをどうやっていくのか。候補者本人にも通告して取り組んできました。

最後に野党連携です。いよいよ解散となれば、野党間の調整ということで、各党がテーブルにつく予定でした。その後、次期衆院選が若干遠のいてしまいました。野党調整も、各党ともに様子見という期間になっています。

今後、擁立作業は当然進めますが、少し慎重になっている状況です。逆に時間が得られたことによって、選挙区の底上げの具体策を展開していくことになります。

17年度になり発生するのが区割りの変更です。北海道は定数削減がありませんが、区割り変更への準備も含めて、これから対応していきます。

――昨年4月、衆院道5区補選がありました。野党統一候補だった池田真紀さんは負けましたが、自民党候補に善戦しました。

馬淵 昨年の5区補選は、戦後初めて、野党統一候補として戦うことができました。

これはいろんな要素が絡み合いました。まず、あの時点で池田真紀さんが無所属候補であったということ。民進党公認ではなかった。

その上で、政党主導ではなく、市民グループが無所属の池田さんを応援するということで、各党に呼びかけたわけです。

接戦に持ち込んだという意味で、大きな成果であったと見る向きもあります。無名の新人を戦える候補者まで押し上げたわけですから。

その一方で、課題もありました。選挙期間中、それぞれの政党が、それぞれの立場で発言する場面が見受けられました。お互いに節度を持ってやろうと取り決めても、現場ではいろいろと混乱がありました。

――昨年7月の参院選では、一人区で野党統一の戦い方を促進させました。

馬淵 そこでさまざまな課題を目の当たりにするわけです。一人区の一方、北海道のような複数区があります。ここに共産党が候補者を立ててきたとき、隣接県の一人区では統一といっている。これは矛盾に満ちた行動になるわけです。

野党統一といいながらも、実体上はお互いの政党の目標を掲げて戦うことになり、実は簡単なことではなかったんです。

前回参院選の比例票を絶対得票率で見ると共産党は微減です。民進党は増えてはいますが、維新との合流の部分を考えると、本来獲得できる比例票には届いていません。

政党の理念がそれぞれ違うんだから、簡単に得票は合算にはならないし、安易には組めない。参院選でそれが明らかになりました。

次期衆院選は“野党統一ではなく“野党連携”です。あくまでも他党との調整ということです。

それも政党間で、お互いの本部同士で話し合う。これを徹底させます。たとえば、北海道では現場、選挙区レベルで、他党といろいろな相談をしているという話を耳にします。それは党として一切認めないことを、党の全国幹事会で通知しています。

安倍内閣は傲岸不遜の政権運営

――安倍内閣の政権運営をどう見ていますか。

馬淵 われわれがずっと訴えてきた生活に根ざした課題の解決に対して、安倍政権の政策は弱い印象を受けます。外交・安全保障に重きを置いている。労働問題、子育て支援などは、小手先で生活者目線の話をしています。

南スーダンのPKO派遣に対して、防衛省による日報の隠蔽が疑われ、稲田朋美防衛大臣は省内を把握できていませんでした。あるいは、共謀罪も金田勝年法務大臣の答弁はグダグダです。どういう中身なのかを明らかにせず進めようとしています。

森友学園の問題でも同様です。当初、与党は籠池泰典理事長の参考人招致を一切受けつけない姿勢でした。ところが、籠池氏が安倍総理から寄付金を受け取ったと発言をしたことで、総理への侮辱だと言って証人喚問に踏み込んでいきました。参考人招致ではなく、いきなり証人喚問です。こういう姿勢を見ると傲岸不遜、巨大与党のおごり、高ぶりを感じます。

われわれは人への投資、国民の暮らし、生活が第一を訴えて政権交代を果たしたわけです。コンクリートから人へということで、税金の使い道を変えることを訴え続けてきました。未来への投資で教育の無償化もそうです。子育て支援、年金の問題も解決していません。安倍内閣にそうした政策で対峙し、そこにフォーカスして衆院選を戦います。

――もともと北海道は民進党への支持が高い地域ですが、次期衆院選で何を訴えていきますか。

馬淵 昨年の参院選では、北海道で2議席を獲得させていただいた。北海道はもともと民進党が強い地域です。まだまだ厳しいという認識の中で、ようやく回復の兆しが見えてきました。

道民のみなさんから、1つひとつの政策で評価をいただけたかといえば、そうではないと思います。

もちろん北海道の課題として、農業を中心とする第一次産業に特化した課題があります。今後は次期衆院選までに、そうした論点を争点化していくということです。

――馬淵さんは小選挙区での当選を重ね、党内指折りの選挙通として知られています。

馬淵 私の選挙区の奈良1区は295選挙区の中でも、全国屈指の自民党支持率と安倍内閣支持率が高い地域です。そこで、自民党候補の復活当選を許していません。

よく後援会の集まりでも、皆さんは我々は“馬淵党”だとおっしゃいます。政党の支持率や風に左右されない選挙を戦ってきました。

――選挙の強さの秘密はありますか。

馬淵 選挙は〝熱の伝播〟なんです。真ん中がカンカンに熱くなければならない。一番は候補者であり、その家族、後援会、地元総支部の中心人物です。この人たちが本気でやれば勝てます。5人いればいい。

いかに「お願いされる側」から「お願いする側」にまわってもらえるのか。「今度はぜひ、馬淵をお願いします」と言ってもらわなければなりませんから。

これをするためには空中戦では無理ですよね。とにかく徹底的に人と会い、小さな集会をする。まずは有権者と接点を持って結びついていくことが大切です。

わが党の候補者を見ても、それができていない人が多い。残念なことです。

連合におんぶにだっこではダメ

――民進党は政党支持率が思うように回復しないことにも影響していますか。

馬淵 民進党議員が選挙区をまわると、「民進党はダメだ」と言われます。褒めてくれる人は少ない。そんなのは当たり前ですよ。政権から転落した政党なのですから。

あなただったら応援しますよ、と個人に対しての支持がしっかりできていれば、政党は関係なくなります。ポスターの枚数を聞けば、しっかり活動しているかすぐにわかりますよ。全国幹事会では、候補者の差し替えもあり得る、とはっきり言っています。勝てない候補者を抱えるほど、われわれに余裕はありません。

――道内選挙区のうち、7区と11区で候補者が決まっていません。

馬淵 7区に関しては、候補者擁立が容易ではありません。出馬に近い人がいましたが難しかったという報告を受けています。

11区は元職の石川知裕さんが可能であれば、という思いがあります。今年10月、石川さんの公民権停止が解除されます。衆議院は常在戦場です。9月末までの選挙となれば、擁立しないという選択肢はありません。

北海道はどの選挙区も、元職、新人含めて厳しさは変わりません。当選のボーダーで、支持を底上げすれば当選可能という候補者が多くいます。そうした選挙区はしっかり勝っていきたいと考えています。

北海道は組織率が下がったとはいえ、連合の力が47都道府県の中で、とくに強い地域です。そのため、選挙は連合におんぶにだっこという側面もあり、候補者は自らの後援会をつくるとか、政党色は関係なく幅広く支持を集めるといった運動が、なかなかできていません。

候補者が熱を持って国民生活に密着した課題を訴える。保守層を含めて有権者から信頼を得て、政党は関係ないと言ってもらえるところまで支持を高められるのかがカギです。

どの候補者にも「解散・総選挙が延びるのはチャンスだ」と口酸っぱく言っています。そこを肝に銘じて日ごろの政治活動に臨んでもらいたいです。

――本日はお忙しいところ、ありがとうございます。(取材日=3月21日)

=ききて/前田圭祐=